日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルッジェーロ」の意味・わかりやすい解説
ルッジェーロ(2世)
るっじぇーろ
Ruggero Ⅱ
(1095―1154)
初代のシチリア王(在位1130~54)。フランス名はロジェール2世Roger Ⅱ。ノルマン出身のシチリア伯ルッジェーロ1世(?―1101)の子。シチリア、イタリア半島南部、北アフリカにまたがる国家の建設を熱望し、1127年以降、半島南部の征服に着手、30年にシチリア王に即位した。ノルマンの勢力拡大に脅威を感じた教皇、ビザンティン皇帝、ベネチア、ピサなどと争い、さらにトリポリなど北アフリカへの軍事行動を展開した。またコルフ島を占領し、ビザンティン帝国の南イタリア支配を断念させた。学問、芸術の保護者としても知られ、パレルモをビザンティン、イスラム、ノルマンの文化的伝統が共存する首都とした。
[清水廣一郎]