ル・ロア
Edouard Le Roy
生没年:1870-1954
フランスの数学者,哲学者。リセの数学教授を経て,1921年ベルグソンの後任としてコレージュ・ド・フランス哲学教授。ベルグソンの影響下に科学的知に関する唯名論的な考察を行う。ポアンカレの規約主義を徹底化し,科学的事実をも便宜的なものであるとして科学理論の恣意的性格を強調した。さらに宗教的ドグマについても,宗教的真理は信仰の対象であり,哲学的推論によっては把握しえないとして,伝統的神学を批判した。主な著作には《発明の論理》(1905),《ドグマと批判》(1907),《直観的思考》(1929-30)などが知られている。
執筆者:木田 元
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ル・ロア
Le Roy, Edouard
[生]1870.6.18. パリ
[没]1954.11.11. パリ
フランスの哲学者。初め科学を学び,1898年科学博士となり,パリの高等学校で数学を教えた。やがて H.ベルグソンにひかれて哲学に転向,1921年コレージュ・ド・フランスの哲学教授。 45年アカデミー・フランセーズ会員。自由で自己を創造する自我を根拠におき,プラグマティズム的立場にたって科学や宗教を論じた。科学は実践を目的として現実を整理するものであり,宗教的ドグマも道徳的行為の源泉であるとして,真理の規準を生に求めた。主著『ドグマと批判』 Dogme et critique (1906) ,『第一哲学試論』 Essai d'une philosophie première (2巻,56~58) 。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のルロアの言及
※「ルロア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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