ルーブル合意(読み)ルーブルごうい(英語表記)Louvre Accord

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルーブル合意」の意味・わかりやすい解説

ルーブル合意
ルーブルごうい
Louvre Accord

1987年2月,フランスパリにあるルーブル宮殿で開催された先進7ヵ国財務大臣・中央銀行総裁会議 G7でなされた,通貨安定のための合意。1985年のプラザ合意のあと一貫してドル下落し,行き過ぎたドル安アメリカ合衆国インフレ圧力を増すなどの懸念台頭ドル暴落歯止めをかけるためこの会議が開催された。おもな合意点は,(1) 各国通貨の変動にゆるやかな許容範囲を設ける,(2) これをこえたときは当該通貨当局が協議のうえで市場介入を行ない,各国はこれに協力する,というものであった。(→為替調整

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知恵蔵 「ルーブル合意」の解説

ルーブル合意

1987年2月22日、パリのルーブル宮殿で開催されたG7は、プラザ合意を契機に加速していたドル安に歯止めをかけるため、「為替相場現行水準の周辺に安定させる」ことで合意した。プラザ合意以後の各国による協調介入の結果、1ドル=240円台であったドル相場はほぼ一本調子で下落し、87年2月には150円台に到達していた。そこで今度は各国が過度のドル安に対する懸念を共有したことからルーブル合意となったが、大幅な国際収支不均衡を是正するためにはドル相場の一層の下落が必要との見方があり、ブラック・マンデー(暗黒の月曜日)と呼ばれる米株式市場の暴落が生じたことなどから、合意後もドル相場の下落は続いた。

(絹川直良 国際通貨研究所経済調査部長 / 2007年)

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ルーブル合意」の解説

ルーブル合意

1987年、パリのルーブル宮殿で開かれた7カ国の蔵相(G7)による、為替レートの水準に関する合意。当時進行していたドル安に歯止めをかけ、日米間の通貨レートの不均衡を是正するのが狙い。この合意以降、日米間が協調介入を行った。ルーブル合意に先立つプラザ合意では過度のドル高を是正するため、日本、アメリカ西ドイツ(当時)による協調介入を発表。これが成功を収め、プラザ合意以前に1ドル240円だった円相場は1987年2月には1ドル140円に到達した。しかし、これ以上のドル安は好ましくないとの判断から、ルーブル合意に至った。

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FX用語集 「ルーブル合意」の解説

ルーブル合意

1987年2月、フランスのパリにあるルーブル宮殿で開催された先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)において、為替相場安定のために各国が政策協調を行なうことに対する合意がなされたことをいいます。これによりプラザ合意でのドル高是正に終止符を打ち、これ以上のドル安は好ましくないとしたのですが、各国の政策協調も十分ではなく、ドルはその後も下落を続けました。

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