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市場介入 しじょうかいにゅうintervention; exchange equalization operation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

市場介入
しじょうかいにゅう
intervention; exchange equalization operation

外国為替平衡操作ともいう。通貨当局あるいはその委任を受けた中央銀行外国為替相場の安定や水準の修正のために外国為替取引を行うこと。ブレトンウッズ体制スミソニアン体制の下では平価を基準にして安定をはかるため市場介入を行なっていた。変動相場制度になってからは平価を維持する義務はなくなったが,急激な乱高下を抑えるために市場介入を行なったりしており,プラザ合意後は世界経済の安定のために為替相場の水準訂正を行うため,大量のドル売り介入が行われた。市場介入は通貨当局の為替相場に関する考え方を市場参加者にアピールする効果があり,日本では財務省国際局為替資金課が日本銀行に介入を委託し,日銀はそれを受けて,外国為替資金特別会計を原資として,仲介業者や市中の外国為替銀行に為替売買の注文を出す。通貨当局は実際の為替の売買をせずに,現在取引しているレートを市場参加者からヒアリングしたりして政策スタンスを暗に示して心理的な影響を及ぼす口先介入もある。なお中央銀行が介入のめどとする為替相場が介入点と呼ばれている。近年では為替取引が巨額化し,介入の効果も薄れつつあるといわれている。

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百科事典マイペディアの解説

市場介入【しじょうかいにゅう】

外国為替市場に政府・中央銀行が介入し,通貨の売買を通じて自国の通貨安定を図ること。日本の場合は国の外国為替資金特別会計を通じて行われ,介入資金については同会計が〈外国為替資金証券〉(為券)を発行し,日本銀行が引き受けることによって調達。

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大辞林 第三版の解説

しじょうかいにゅう【市場介入】

中央銀行が通貨の安定や乱高下を抑える目的で外国為替相場に直接参加し、相場に影響を与えること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

市場介入
しじょうかいにゅう

市場の失敗に対し、政府や中央銀行などの公的機関が政策を通じて市場を調整する試み。とくに通貨当局が外国為替(かわせ)相場の行き過ぎた変動を抑える目的で、内外の通貨を売買する為替介入をさすことが多い。外国為替市場介入は短期的に効力を発揮することもあるが、一時的に市場メカニズムをゆがめ財政負担につながることから、主要国の間では望ましくない政策とのコンセンサスがある。
 海外では、自国通貨の急落を防ぐ目的で市場介入するケースが多い。一方、日本では、投機資金の流入などで為替相場が急速に円高に振れると、輸出産業が打撃を受けるなど、国内経済に悪影響が及ぶとして、円売り・外国通貨買い介入をたびたび実施している。外国為替市場介入は財務大臣の権限で、財務相の代理である日本銀行が外国為替資金特別会計(外為特会)を通じて介入する。たとえば、円売り・ドル買い介入の場合、政府短期証券(FB)を発行して市場から円資金を調達し、これを売ってドルを買い入れる。介入で得た外貨は外貨準備となり、アメリカ国債などで運用している。介入限度額はFBを発行して介入資金を調達できる上限で、国会の承認が必要。外為特会は2008年(平成20)末で約20兆円の積立金があるが、1ドル=100円以上の円高が進むと為替差損が積立金を上回ると財務省は説明している。
 二つ以上の国・地域が外国為替市場介入で足並みをそろえることを協調介入とよぶ。1985年(昭和60)、過度なドル高を是正するため先進5か国が発表したプラザ合意後のドル売り・自国通貨買い介入が有名である。
 株式相場の急速な下落を避けるため、政府が公的資金を活用して株式を購入するケースも市場介入の一種と考えられている。ただ外国為替市場介入よりも市場をゆがめるとして、実際に行われることはほとんどない。[編集部]

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世界大百科事典内の市場介入の言及

【外国為替市場】より

…銀行間市場には,政府・中央銀行(通貨当局)も参加する。これは,特定の政策目的をもって為替相場に影響を与えるために行われ,この取引は市場介入(日本では〈平衡操作〉)と呼ばれる。 銀行間取引を大別すると,直物取引,先物取引およびスワップ取引に分かれる。…

※「市場介入」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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