日本大百科全書(ニッポニカ) 「レイノルズ・メタルズ」の意味・わかりやすい解説
レイノルズ・メタルズ
れいのるずめたるず
Reynolds Metals Co.
アメリカのアルミ製品メーカー。1919年に設立された錫(すず)と鉛のフォイル(箔(はく))を製造するUSフォイルUnited States Foil Co.が同社の前身である。26年、アルミ箔の生産が開始され、28年にレイノルズ・メタルズがUSフォイルを継承して設立された。レイノルズ・メタルズは41年アーカンソー州にボーキサイト鉱山を開発して、アラバマ州に製錬所を設けた。第二次世界大戦後は国際化の進展とともに、メキシコ、ジャマイカ、ガイアナなどにボーキサイト鉱床をもち、世界的規模でのアルミニウムの生産・精錬を行っている。
同社は主力製品であるアルミニウム製品のほかに、プラスチックや紙製品も製造する。消費者向け製品として、レイノルズ・ラップの名によるアルミ箔、ダイアモンドの名によるフォイルおよびプラスチック製品はアメリカの消費者によく知られている。レイノルズの名によるプラスチック包装紙、冷凍用包装紙、オーブン・電子レンジ用の耐熱紙なども同社の主力製品である。食品産業向けにも包装用のフォイル、紙、フィルムラミネートなどを供給する。自動車・トラック業界向けには鍛造アルミホイール、バンパー、ドライブシャフト、熱交換器用配管などがある。さらに同社は、建設市場向けのアルミ、ビニール、複合素材の製造も行っている。98年の売上高は58億5900万ドル、純利益は6600万ドル。売上げの製品別構成比率は、アルミ生産・加工が49%、最終製品その他が51%。
1999年8月、アルミニウム製造の最大手アルコアに44億ドルで買収され、世界最大級のアルミ・メーカーが誕生した。
[萩原伸次郎]