レルヒ(読み)Lerch,Teodor von

デジタル大辞泉 「レルヒ」の意味・読み・例文・類語

レルヒ(Theodor Edler von Lerch)

[1869~1945]オーストリア軍人。明治43年(1910)大使館付武官として来日新潟県高田北海道旭川スキー紹介指導を行った。大正元年(1912)帰国

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朝日日本歴史人物事典 「レルヒ」の解説

レルヒ

没年:1945.12.24(1945.12.24)
生年:1869.8.31
明治時代に来日したオーストリア軍人。日本スキーの父。オーストリア軍人(歩兵連隊長)の長男としてブラチスラバ(スロバキア共和国の首都)で生まれる。オーストリア陸軍参謀少佐時代の明治43(1910)年,新潟県高田師団付き駐在武官として来日。翌年1月12日,金谷山で堀内文次郎連隊長らに初めてスキーを伝授。翌年,旭川でも砲兵連隊を指導した。山岳スキーの元祖ツダルスキー(オーストリア)の高弟で長い1本杖を斜めに構え,雪面を押すように滑った。八甲田山の雪中行軍大惨事(1902年,199人凍死)の苦い体験がある陸軍はレルヒのスキー技術の吸収に努め,民間にも広まった。45年4月,スキーで富士山9合目まで達した。同年帰国後,少将で退任。1940年ウィーンで日独文化協会長を務めた。<参考文献>中野理『スキーの黎明―レルヒ伝』

(武田文男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「レルヒ」の意味・わかりやすい解説

レルヒ
Theodor Edler von Lerch
生没年:1869-1945

日本にオーストリア・スキーを紹介した軍人。ウィーンに生まれ1910-12年,軍事研究のために日本駐在武官として来日,1911年新潟県高田の歩兵第58連隊,12年北海道旭川師団で,1本づえのオーストリア・スキーを紹介・指導し,これが日本における近代スキーの幕あけとなった。この1本づえスキーは軍隊よりも民間に普及し,大正中ごろまで行われた。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レルヒ」の意味・わかりやすい解説

レルヒ
Lerch, Theodor Edler von

[生]1869. プレスブルク
[没]1945. ウィーン
オーストリアの軍人。オーストリアスキーを考案したマティアス・ツダルスキーの高弟。 1911年陸軍少佐として来日し,新潟県高田市で,青年将校スキー専修員にスキー技術を伝えたのが,日本におけるスキーの始まりであるといわれる。指導には1本杖のスキーが用いられ,のち民間に普及した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「レルヒ」の解説

レルヒ Lerch, Theodor Edler von

1869-1945 オーストリアの軍人。
1869年8月31日生まれ。明治43年(1910)駐日参謀少佐として来日。翌年,新潟県高田の歩兵第五十八連隊で1本杖(づえ)によるスキーを指導。このため同地がわが国スキー発祥の地とされる。旭川師団でも指導にあたり,大正元年帰国。その後,1本杖スキーは民間で普及した。1945年12月24日死去。76歳。ウィーン参謀学校卒。

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367日誕生日大事典 「レルヒ」の解説

レルヒ

生年月日:1869年8月31日
オーストリアの軍人
1945年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のレルヒの言及

【スキー】より

…これはシーズン中に各地を転戦する方式で,初めはアルペン競技であったが,のちにノルディック競技,さらにフリースタイルも登場した。
[日本]
 日本に近代スキーがもたらされたのは1890年代であったが,組織的なスキー指導は,1911年1月,オーストリア・ハンガリーの陸軍少佐T.E.vonレルヒが,新潟県高田(現在の上越市)にあった歩兵第58連隊の営庭で,鶴見大尉ら14名のスキー専修員をコーチしたのが最初である。レルヒはズダルスキーの弟子で,物干竿のような長い1本づえを使うリリエンフェルト・スキー術の名手であった。…

【登山】より

…しかし,このころの装備はまだ日本古来のものであった。11年オーストリアのレルヒ少佐が日本にスキー術を伝え,スキーによる積雪期登山が始まった。21年9月,槙有恒がスイスのアイガー東山稜を初登攀し,その技術や装備を日本に伝え,ザイル,ピッケルなどによる岩登りや冬季登山などの近代登山が始まった。…

※「レルヒ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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