日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロイナ」の意味・わかりやすい解説
ロイナ
ろいな
Leuna
ドイツ中部、ザクセン・アンハルト州の化学工業都市。1949~90年は旧東ドイツに属した。ザーレ川の左岸にある。メルゼブルクMerseburg市(人口4万2000)に南接する。人口は1万2000(1995)で、五つの村からなり、1945年に都市権を得た。1916年に建設されたハーバー‐ボッシュ法による最初のアンモニア合成工場であるロイナ第一工場は、従業員3万を擁する旧東ドイツ最大の企業であった。第二次世界大戦後には、旧ソ連からシュウェット経由のパイプラインが設置され、これを利用した石油化学工場(ロイナ第二工場)がさらに南に建設された。現在も住民の90%はロイナ工業で働いている。工業立地の要因は近くで産出される石炭、岩塩、石灰石などの地下資源とザーレ川の水であった。
[佐々木博]