改訂新版 世界大百科事典 「ロキタンスキー」の意味・わかりやすい解説
ロキタンスキー
Karl von Rokitansky
生没年:1804-78
オーストリアの病理解剖学者,新ウィーン学派と呼ばれる医学の近代化運動の代表者でもある。ボヘミアのケーニヒグレーツ生れ。はじめプラハ大学,ついでウィーン大学医学部で学び,1827年ウィーン大学病理学助手,翌年学位をうけるとともにウィーン総合病院の病理解剖を担当。生涯ここで彼がおこなった解剖は3万体を超えるという。44年正教授として病理解剖学を担当,その豊富な経験をもとに臓器病理学を集大成した。69年からウィーン科学アカデミー会長をつとめるなど,オーストリアの科学・医学界で重い地位についた。晩年全身病の説明に提出した体液病理的考察に,フィルヒョーが論争をしかけたことでも知られている。
執筆者:中川 米造
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報