ロドヒポクシス(その他表記)Rhodohypoxis bauerii (G.-Botf.) Nel.

改訂新版 世界大百科事典 「ロドヒポクシス」の意味・わかりやすい解説

ロドヒポクシス
Rhodohypoxis bauerii (G.-Botf.) Nel.

小鉢物として多く栽培されるキンバイザサ科の春植え宿根草。南アフリカ中部~東部高地,1500~3000mに野生する。矮性(わいせい)で,地下には球根状の根茎がある。5月中旬ごろ,根生してうぶ毛のある数枚の広線形の葉の中心から短い花茎を出し,径2cmくらいの花を次々と開く。花被片6枚。アッツザクラの名で呼ばれるが,アッツ島ともサクラとも何の関係もないので,最近はロドヒポクシスと呼ばれることが多い。多くの品種が育成されており,特にイギリスと日本において改良が盛んで丸弁,大輪,白,桃,赤色をはじめ,八重咲きなども出現している。植込みは3月中~下旬,鉢に植える。根茎を増殖するには開花後摘花する。秋に葉が枯れたら水を切り,鉢のまま暖所に積み上げて越冬する。翌3月に株分けをして増やす。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロドヒポクシス」の意味・わかりやすい解説

ロドヒポクシス
ろどひぽくしす
[学] Rhodohypoxis baueri Nel.

ヒガンバナ科(APG分類:キンバイザサ科)の秋植え球根草。根出葉は群出して細長く、長さ5~10センチメートル。5~6月、長さ約7センチメートルの細い花茎を次々と出し、頂に星形で径約2センチメートルの花を開く。花被片(かひへん)は淡紅色で披針(ひしん)形、外花被片3枚は内花被片3枚よりやや大きい。雄しべ雌しべは、ほとんど見えないほど小さい。冬は葉が枯れて休眠するが、4月には新葉が出る。南アフリカ原産。アッツザクラの名で売られる園芸種は、鉢植えにして促成されたもので、白、桃、濃紅色など花色も豊富である。

 寒さにやや弱いが、霜立ちを防ぐと露地で越冬する。鉢植えのものはフレーム温室に入れるか、鉢のまま乾燥して凍らない程度に越冬させる。繁殖は分球による。

[平城好明 2019年1月21日]


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百科事典マイペディア 「ロドヒポクシス」の意味・わかりやすい解説

ロドヒポクシス

アッツザクラとも。南アフリカ原産のキンバイザサ科の球根植物。葉は根生し,長さ6〜7cm,線形で白毛があり,先はとがる。5〜6月,高さ約7cmの花茎の先に淡紅赤色の花を開く。花被片は6枚で外片は内片より大きい。繁殖は株分けによる。ロックガーデン,鉢植として観賞。なおアッツザクラといってもアッツ島とは関係がない。園芸品には花が白色で大輪のものもある。

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