日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロルツィング」の意味・わかりやすい解説
ロルツィング
ろるつぃんぐ
Albert Lortzing
(1801―1851)
ドイツの作曲家。10月23日ベルリン生まれ。演劇一家のひとり息子として早くから各地で舞台体験を重ね、14歳で最初のオペラを作曲した。1833~44年ライプツィヒ市立劇場の俳優兼テノール歌手として活躍。その間に代表作となった喜歌劇『皇帝と船大工』(1837)、ロマン的オペラ『密猟者』(1842)が生まれた。『ウンディーネ』(1845)は同劇場の地位を失ったときの作品である。46年ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場の楽長となり、喜歌劇『刀鍛冶(かじ)』(1846)を上演するが、彼のドイツ的ユーモアはウィーンでは不評で、48年にはライプツィヒに戻っている。不遇な晩年を送り、51年1月21日故郷ベルリンで貧困のうちに世を去った。
[樋口隆一]