わだつみ会(読み)わだつみかい

改訂新版 世界大百科事典 「わだつみ会」の意味・わかりやすい解説

わだつみ会 (わだつみかい)

日本戦没学生記念会別称。1947年に東京大学協同組合が第2次世界大戦中の東京大学出身の戦没者の手記を集めて出版した《はるかなる山河に》が大きな反響を呼んだ。ついで全国の戦没学生の手記を集めた《きけわだつみのこえ》(1949)を出版した。これらの出版を契機としてわだつみ会は50年に創立され,各地の大学に支部が設けられ,学生による反戦・平和運動団体として活動したが,58年に日本共産党内部の国際派と主流派の対立のあおりを受けて解散した。59年に安田武,橋川文三らを中心に再建され,機関誌《わだつみのこえ》が発行された。現在のメンバーの中心は戦時中の学徒の生き残りで,会の主たる目的は,戦争体験をもたない若い人たちに自分たちの体験を伝え,日本の精神的伝統のなかに不戦の思想を定着させていくことにある。
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百科事典マイペディア 「わだつみ会」の意味・わかりやすい解説

わだつみ会【わだつみかい】

日本戦没学生記念会の別称。第2次大戦戦没学生の手記《きけわだつみのこえ》(1949年)出版を契機に,1950年文化人,遺族,学生によって結成された平和運動団体。次第に学生中心の組織となる。1958年解散。1959年〈戦争体験を持つ世代と持たない世代との交流と連帯〉を趣旨として再建。

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