ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワッサーフ」の意味・わかりやすい解説
ワッサーフ
Wassāf, Sharaf al-Dīn `Abd Allāh Shīrāzī
[没]1334
イランの歴史家。生地で学業を修めたのち,徴税官としてイル・ハン国に仕えた。のち宰相ラシード・ウッディーンの保護を受け,1312年ウルジャーイトゥーより,ワッサーフ・アルハズラト Wassāf al-Ḥaḍrat (宮廷の賛辞者) の号を与えられた。その著『国土の分割と時代の変遷』 Tajziyat al-Amsār wa Tazjiyat al-A`sār,通称『ワッサーフの歴史』 Ta'rīkh-i Wassāfは,1258~1323年のイル・ハン国の歴史を記した史書で,アラビア語を豊富に織込んだその華麗な文体は,のちの歴史家に多大の影響を及ぼしたが,史料としてもきわめて価値の高いものである。
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