天然に存在する放射性元素の系列の一つで、ウランの同位体235U(アクチノウラン)から始まって、α(アルファ)崩壊を7回、β(ベータ)崩壊を4回繰り返して最後に鉛の安定同位体207Pb(アクチニウムD)となる系列である。このとき途中で227Acを通過するのでアクチニウム系列という。アクチノウランから始まるのでアクチノウラン系列ともいう。この系列に属する核種、すなわち原子種の質量数を4で割るとつねに3余るので4n+3系列ともいわれる。天然にはウランの鉱物中にウラン系列とともにみいだされるが、その量はウラン系列の4.5%程度であるとされている。
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235U(古典名AcU)から出発してα崩壊,β- 崩壊を繰り返して安定な207Pb(古典名AcD)に至る崩壊系列.235Uの古典名アクチノウランからアクチノウラン系列ともいう.全核種の質量数が4n+3(n:整数)なので4n+3系列ともいう.
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… ウランは自然に放射性崩壊する。238Uの半減期は45億年と長いが,天然には,これを親核種として鉛206206Pbに至る崩壊系列(ウラン系列)があり,また235Uを親核種として鉛207207Pbに至るアクチニウム系列がある(年代決定法の一つに,この崩壊を利用するウラン・鉛法がある)。天然のウラン中にはこれらの崩壊によって生じた種々の核種が存在し,これらの核種の出す放射能は,ウラン鉱の採取から燃料体の成形加工までの核燃料サイクルのアップストリームにおいて問題となる。…
…放射性元素が放射性崩壊によって,つぎつぎに別の元素あるいは同位体(まとめて核種という)に変わっていくときの一連の系列をいう(図)。天然放射性元素の系列には,ウラン系列(ウラン・ラジウム系列ともいう),トリウム系列,アクチニウム系列の三つの系列がある。これらの各系列の初めの元素が238U,232Th,235Uであり,それらが崩壊していくときの元素の質量数はそれぞれ4n+2,4n,4n+3(nは整数)で表される。…
※「アクチニウム系列」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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