放射性崩壊系列(読み)ホウシャセイホウカイケイレツ(その他表記)radioactive decay series

デジタル大辞泉 「放射性崩壊系列」の意味・読み・例文・類語

ほうしゃせい‐ほうかいけいれつ〔ハウシヤセイホウクワイケイレツ〕【放射性崩壊系列】

崩壊系列

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「放射性崩壊系列」の意味・わかりやすい解説

放射性崩壊系列 (ほうしゃせいほうかいけいれつ)
radioactive decay series

放射性元素放射性崩壊によって,つぎつぎに別の元素あるいは同位体(まとめて核種という)に変わっていくときの一連系列をいう。天然放射性元素の系列には,ウラン系列ウラン・ラジウム系列ともいう),トリウム系列アクチニウム系列の三つの系列がある。これらの各系列の初めの元素が238U,232Th,235Uであり,それらが崩壊していくときの元素の質量数はそれぞれ4n+2,4n,4n+3(n整数)で表される。これに対し,天然には4n+1という系列が存在しないため,失われた系列といわれていたが,現在では人工元素でそれにあたるネプツニウム系列の存在がわかっている。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「放射性崩壊系列」の意味・わかりやすい解説

放射性崩壊系列
ほうしゃせいほうかいけいれつ
radioactive decay series

原子番号 84番 (ポロニウム) 以上の元素には安定同位体が存在しないので,原子番号 85以上の核種のα崩壊または原子番号 83以上の核種のβ崩壊による生成核種は必ず放射性である。したがって,これらの核種は 83番元素のビスマスまたは 82 番元素の鉛の安定同位体になるまで順次崩壊し,核種間に1種の親子関係が成立する。この系列を放射性崩壊系列または単に崩壊系列という。なお,85番元素はα崩壊しても 83番の安定同位体には変換せず,すぐβ崩壊して 84番の放射性核種になる。崩壊生成核種の質量数はα崩壊の際に4だけ減少し,β崩壊の際は不変なので1つの崩壊系列に属する核種の質量数は4の倍数だけ異なる。質量数 4n ( n は正の整数) の系列をトリウム系列,4n+1 の系列をネプツニウム系列,4n+2 の系列をウラン系列,4n+3 の系列をアクチニウム系列という。ネプツニウム系列のみは人工放射性核種の系列で,他は天然に存在する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android