アチェ族(読み)アチェぞく(英語表記)Achenese

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アチェ族
アチェぞく
Achenese

インドネシア,スマトラ島の北部に住む一民族。人口約 260万と推定される。マレー人インド人との混血が著しい。言語はオーストロネシア語族インドネシア語派に属する。稲作を生業とし,杭上家屋に居住する。 13世紀にイスラム教徒となり,15~16世紀頃,海上貿易によって勃興し,スルタンのもとに封建諸侯の統治が行われた。 19世紀のアチェ社会は,王族貴族,農民,宗教集団,奴隷などに階層分化されていたが,これはほぼ崩壊し,現在では貧富の差が大きな意味をもち,貴族と平民とに分れる。かつては父系的な氏族組織をもっていたが,徐々に双系制に移行し,婚姻は妻方居住制をとり,女性の地位は比較的高い。イスラム教シャーフィイー派を信仰し,イスラム法が社会に浸透している。

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世界大百科事典 第2版の解説

アチェぞく【アチェ族 Aceh】

インドネシア,スマトラ島北端のアチェ州総人口の約60%(約130万)を占め,新マレー人に属する民族。アチン族ともいう。彼らの話すアチェ語はアウストロネシア語族に属する。民族の起源は不明で,チャム族やモン・クメール族との親縁性も指摘されているが,確証はない。奴隷として多数移入されたニアス族との混血も見られ,さらに東西交通の要衝に位置したため多数渡来したインド,西アジアの諸民族との血縁・言語・文化的混交も見られる。

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世界大百科事典内のアチェ族の言及

【スマトラ[島]】より

… 民族は地域により複雑である。西岸沖合ニアス島のニアス族,本島中部のバタク族などはプロト・マレー系であるが,北部のアチェ族,西部高原のミナンカバウ族,南部のランポン族,東海岸のマレー人などはいずれも開化(第2次)マレー系である。このほか海岸各地にインド・アラブ系,中国系住民もおり,南部にはジャワ族の集団移住地もみられる。…

※「アチェ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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