岩石学辞典
「アナテクサイト」の解説
アナテクサイト
アナテクシスによって形成された岩石.既存の岩石が再熔融してできた花崗岩質のミグマタイトで,どちらかといえば均質,しばしばシュリーレンや星雲状の構造を示す[Loewinson-Lessing : 1934, Backlund : 1936, Mehnert : 1968].アナテクシスは岩石の部分熔融の過程をいうが,この語の解釈には違った意味のあるものがある.ゼーダーホルムなどは既存の岩石の部分熔融としているが[Sederholm : 1907, Tomkeieff : 1983, Ashworth : 1985],その後既存の岩石が一部または完全に熔融することという考えがある[Mehnert : 1968].アナテクシスは深部の岩石が下からの熱やガスで再熔融し,その場でマグマが形成されるような超変成作用をいう.岩石は一定圧力で温度が上昇するか,または一定温度で圧力が下がって一部または不完全に熔融する.熔融は粒界から始まり,一部融けた岩石系から熔融物が抽出されるか,そのまま系にとどまるかする.代表的なアナテクシスは地殻から花崗岩の熔融体が発生する場合で,またマントル橄欖(かんらん)岩の部分熔融で玄武岩が発生することなどが考えられている.既存の岩石が選択的あるいは部分的に熔融して,その場所で熔融による脈が発達する.ギリシャ語のanaは英語のthroughまたはaboutで,tekeinは熔融するの意味.
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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アナテクサイト
anatexite
地殻深部において既存岩石の大部分あるいは一部がその場で溶けてできた花崗岩質の岩石。ミグマタイトの一種。原岩の一部を残し,シュリーレンあるいはネビュライト構造をもつ。J.Jung(1934)命名。
執筆者:小林 英夫・在田 一則・高橋 俊郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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