アリュート(読み)ありゅーと(その他表記)Aleuts

デジタル大辞泉 「アリュート」の意味・読み・例文・類語

アリュート(Aleut)

アリューシャン列島アラスカ西部に住む先住民族アレウト

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリュート」の意味・わかりやすい解説

アリュート
ありゅーと
Aleuts

アラスカからカムチャツカ半島に延びるアリューシャン列島に居住する人々。アレウトともいう。18世紀初頭には約2万5000人と推定されていたが、18世紀からのロシア人などのヨーロッパ人の侵入で人口は激減し、1970年には約2000人前後になった。1990年代に入って少し増えているが、そのほとんどが混血しているといわれる。また、ロシア領のコマンドルスキー諸島などに約644人(1989)が居住し、アリューシャン列島以外にアラスカ半島プリビロフ諸島にも分布する。言語はエスキモー語に近い。体格エスキモーに似ているが、頭がより短頭でかつ長命であるといわれる。考古学的には、エスキモーとともにアジアからアラスカに渡り、約9000年前にアリューシャン列島に広まったと考えられている。主生業はカヤックkayakもしくはバイダルbaydarとよばれる皮製のボートを使った海獣狩猟で、アザラシトドラッコなどをとった。銃が普及する前は、石製の尖頭(せんとう)器をつけた銛(もり)を投槍(とうそう)器で投げ込んでいた。半地下式の住居に、親族で結ばれた数家族が共同で住み、各住居に首長が1人ずついた。出自双系的で妻は他の集落から迎えた。祭りには近隣の集落から人が集まり、舞踏歌合戦格闘技などの競技が行われた。

[佐々木史郎]

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