アルキメデスが考案したといわれる揚水装置。「アルキメデスのポンプ」ともいわれる。構造は細長い円筒の中に、ねじ状に深い溝を刻み込んだ軸をぴったりはめ込んだものである。この筒の一端を水の中に入れ人力で筒を回転させると、下方の水がねじ状の溝の空所を通って汲(く)み上げられる。螺旋そのものはアルキメデス以前から知られており、同様な仕掛けの揚水機はエジプトで灌漑(かんがい)用として長い間使用されていた。場所をとらないことから、近世初めのスペイン、ポルトガルその他の鉱山で盛んに使われた。日本へも中国を介して1637年(寛永14)に佐渡金山に導入され、竜尾車、水上輪などとよばれ、その後農業用に普及した。
[山崎俊雄]
…(8)極座標を用いてr=f(θ)(fは単調)で表されるような曲線を一般に螺線,スパイラルspiral,渦巻線などと呼ぶ。とくに,r=aθ,r=aebθ,r=a/θ(a,bは定数)で表される曲線をそれぞれアルキメデスの螺線Archimedes’ spiral,対数螺線logarithmic spiral(等角螺線equiangular spiral),双曲螺線hyperbolic spiralという(図21)。とおくとき,tを媒介変数として,で表される曲線をコルニュの螺線Cornu’s spiralまたはクロソイドclothoidという(図22)。…
…水を低いところから高いところへ揚げる装置。揚水は農業文化には不可欠な技術で,世界の各地で古くからさまざまな機器が用いられた。最も単純かつ普遍的な人力による揚水機は〈はねつるべ〉であり,これは長いさおの一端におけ,他端におもりをつけて,てこの原理でくみ揚げる。井戸の上に滑車をつるして手で巻き上げる〈つるべ〉がこれに続く。そして,といまたは筒を鎖上に並べてくみ上げる竜骨車タイプのもの(人力で動かす場合は踏車となる),さらに車輪の円周上におけまたは筒をとりつけて回転する筒車(ノーリア)タイプのものなどが現れた。…
…次にその代表例を五つあげておく。(a)方程式r=aθ(aは正の定数)で表される曲線,すなわち半直線が点Oのまわりを一様な速さで回転し,同時に点Pがこの半直線上をOから一様な速さで遠ざかるときに点Pの描く曲線は,その接線と面積を詳しく調べたアルキメデスにちなんで,アルキメデスの螺線と呼ばれる(図1)。動径OPとPにおけるこの曲線の接線とのなす角をαとすればtanα=θで,したがってθ→∞ならばα→π/2となる。…
※「アルキメデスの螺旋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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