アルキメデスの螺旋(読み)アルキメデスノラセン

デジタル大辞泉 「アルキメデスの螺旋」の意味・読み・例文・類語

アルキメデス‐の‐らせん【アルキメデスの×螺旋】

平面上の螺旋らせんの一。中心からの距離r回転角θに比例する曲線であり、a比例定数として、極座標rで表される。正渦線。アルキメデス渦巻線

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精選版 日本国語大辞典 「アルキメデスの螺旋」の意味・読み・例文・類語

アルキメデス の 螺旋(らせん)

  1. 平面上の曲線の一種。中心からの距離が回転角に比例して大きくなっていくような渦巻線をいう。アルキメデスの渦巻線。アルキメデスのスパイラル。正渦線。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルキメデスの螺旋」の意味・わかりやすい解説

アルキメデスの螺旋
あるきめですのらせん

アルキメデスが考案したといわれる揚水装置。「アルキメデスのポンプ」ともいわれる。構造は細長い円筒の中に、ねじ状に深い溝を刻み込んだ軸をぴったりはめ込んだものである。この筒の一端を水の中に入れ人力で筒を回転させると、下方の水がねじ状の溝の空所を通って汲(く)み上げられる。螺旋そのものはアルキメデス以前から知られており、同様な仕掛けの揚水機エジプト灌漑(かんがい)用として長い間使用されていた。場所をとらないことから、近世初めのスペイン、ポルトガルその他の鉱山で盛んに使われた。日本へも中国を介して1637年(寛永14)に佐渡金山に導入され、竜尾車、水上輪などとよばれ、その後農業用に普及した。

山崎俊雄


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世界大百科事典(旧版)内のアルキメデスの螺旋の言及

【曲線】より

…(8)極座標を用いてrf(θ)(fは単調)で表されるような曲線を一般に螺線,スパイラルspiral,渦巻線などと呼ぶ。とくに,raθ,raebθ,ra/θ(a,bは定数)で表される曲線をそれぞれアルキメデスの螺線Archimedes’ spiral,対数螺線logarithmic spiral(等角螺線equiangular spiral),双曲螺線hyperbolic spiralという(図21)。とおくとき,tを媒介変数として,で表される曲線をコルニュの螺線Cornu’s spiralまたはクロソイドclothoidという(図22)。…

【揚水機】より

…水を低いところから高いところへ揚げる装置。揚水は農業文化には不可欠な技術で,世界の各地で古くからさまざまな機器が用いられた。最も単純かつ普遍的な人力による揚水機は〈はねつるべ〉であり,これは長いさおの一端におけ,他端におもりをつけて,てこの原理でくみ揚げる。井戸の上に滑車をつるして手で巻き上げる〈つるべ〉がこれに続く。そして,といまたは筒を鎖上に並べてくみ上げる竜骨車タイプのもの(人力で動かす場合は踏車となる),さらに車輪の円周上におけまたは筒をとりつけて回転する筒車(ノーリア)タイプのものなどが現れた。…

【螺旋(螺線)】より

…次にその代表例を五つあげておく。(a)方程式raθ(aは正の定数)で表される曲線,すなわち半直線が点Oのまわりを一様な速さで回転し,同時に点Pがこの半直線上をOから一様な速さで遠ざかるときに点Pの描く曲線は,その接線と面積を詳しく調べたアルキメデスにちなんで,アルキメデスの螺線と呼ばれる(図1)。動径OPとPにおけるこの曲線の接線とのなす角をαとすればtanα=θで,したがってθ→∞ならばα→π/2となる。…

※「アルキメデスの螺旋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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