揚水機(読み)ヨウスイキ

デジタル大辞泉 「揚水機」の意味・読み・例文・類語

ようすい‐き〔ヤウスイ‐〕【揚水機】

水を高所にあげる機械ポンプ

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精選版 日本国語大辞典 「揚水機」の意味・読み・例文・類語

ようすい‐きヤウスイ‥【揚水機】

  1. 〘 名詞 〙 水を上にあげるための機械。ポンプ。
    1. [初出の実例]「第百三十六類 揚水機」(出典:風俗画報‐三六〇号(1907)東京勧業博覧会部類目録)

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改訂新版 世界大百科事典 「揚水機」の意味・わかりやすい解説

揚水機 (ようすいき)

水を低いところから高いところへ揚げる装置。揚水は農業文化には不可欠な技術で,世界の各地で古くからさまざまな機器が用いられた。最も単純かつ普遍的な人力による揚水機は〈はねつるべ〉であり,これは長いさおの一端におけ,他端におもりをつけて,てこの原理でくみ揚げる。井戸の上に滑車をつるして手で巻き上げる〈つるべ〉がこれに続く。そして,といまたは筒を鎖上に並べてくみ上げる竜骨車タイプのもの(人力で動かす場合は踏車となる),さらに車輪の円周上におけまたは筒をとりつけて回転する筒車(ノーリア)タイプのものなどが現れた。これらの揚水機の動力源は,時代とともに,人力,畜力から水車風車,やがて蒸気機関,電力へと移行していった。古代の揚水機械として特異なのは〈アルキメデスらせん(スクリューポンプ)〉と呼ばれる揚水器である(図)。これは円筒のなかにらせん状になった羽根をとりつけた回転軸をぴったりとはめこみ,一端を斜めに水中にひたし,もう一端にある取っ手で回転軸を回せば,水が羽根を伝わって上昇する装置である。アルキメデスのらせんはヨーロッパでは動力を畜力や風車に変えながら,15世紀まで広く使用された。16世紀には鉱山排水を目的としたピストンポンプが発達し,18世紀には動力としての蒸気機関の実用化とあいまって,しだいに古典的な揚水機器は衰退の道をたどりつつある。
ポンプ
執筆者:

エンジンや電動機の動力でしごとをする揚水ポンプのうち,農業用揚水機として多く使われるのは渦巻ポンプ,軸流ポンプ,斜流ポンプである。なかでも渦巻ポンプは最も広く使われており,その主要部は6~8枚の羽根をもつ羽根車とケーシングからなる。羽根車の回転によって羽根車内の水を遠心力で加圧し,吐出管内の水柱の圧力に打ち勝って押し上げると同時に,羽根車中央部に生じた負圧により水が吸込管より吸い上げられ揚水作用が連続的に行われる。渦巻ポンプの大きさは吐出管口径で表し,50~300mmのものが一般的で,揚程20mまでのボリュートポンプと20m以上の高揚程用タービンポンプがある。
執筆者:


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「揚水機」の意味・わかりやすい解説

揚水機
ようすいき
water lifting machinery

灌漑および排水に用いる機具。簡易揚水機具とポンプとがある。簡易揚水機具には汲上げによるつるべ,筒車など,押上げによる踏車,竜骨車など,逆上げによる螺旋状揚水機などがある。ポンプは流体を重力その他の抵抗力を克服して流動的に移送する機械で,農用ポンプには渦巻,軸流,斜流などの型がある。渦巻は充水したケーシング内で6~8枚の羽根の羽根車を回転させて水を押し,最大揚程約 6m,軸流は直管の中でプロペラ型の羽根車を回転させ管の一方から他方へ水を送る低揚程ポンプ,斜流は前の2つの長所を折衷したもので,揚程3~15mの大規模揚水機場に用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「揚水機」の意味・わかりやすい解説

揚水機
ようすいき

ポンプ

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世界大百科事典(旧版)内の揚水機の言及

【蒸気機関】より

…蒸気のもつ熱エネルギーを機械的仕事に変換する蒸気原動機の一形式で,蒸気の圧力をシリンダー内のピストンに作用させ,その往復運動によって仕事を行わせるものである。
[歴史]
 蒸気によって仕事を行わせるという考えが実際に応用されるようになったのは17世紀半ば以後のことであって,イギリスのサマセットEdward Somerset(1601‐67)は,1650年ころ,最初の蒸気による揚水機を製作したといわれている。しかし工業への応用は,98年以後に試みられたイギリスのT.セーバリーによる機関に始まるとされる。…

※「揚水機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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