ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンゲルス・ジレジウス」の意味・わかりやすい解説
アンゲルス・ジレジウス
Angelus Silesius
[没]1677.7.9. ブレスラウ
ドイツの宗教詩人,神秘主義者。本名 Johannes Scheffler。シュレジエンのルター派(→ルター派教会)の貴族の家に生まれる。オランダ,イタリアで学び,シュレジエンで宮廷付の侍医となった。ヤーコプ・ベーメやスペインの神秘主義者の影響を受け 1653年カトリックに改宗。その後著作に専念し,1661年司祭となった。ルター派とカトリックとの対立に異議を唱えた。詩集『ケルビンのごとき旅人』Der Cherubinischer Wandersmann(1675)は,ドイツのバロック文学のうち今日でも高く評価される数少ない作品の一つ。ほかに,神秘詩『聖なる魂の喜び』Heilige Seelenlust(1657)などがある。その詩はのちの敬虔派の詩人に影響を与え,賛美歌に採用されたものも多い。
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