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アーク溶接 アークようせつarc welding

翻訳|arc welding

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アーク溶接
アークようせつ
arc welding

アークの高熱で金属を溶融接合する方法。通常は溶接部の肉盛りのための溶接棒と,溶接部を酸化から防ぎ清浄に保つための溶剤が必要である。溶接棒には,溶剤被覆溶接棒,管に溶剤を詰めた内包溶接棒があるが,裸溶接棒も用いられる。外気遮断には,滓化溶融溶剤で接合部を包み込む方式と,不活性ガス (アルゴン,アメリカではヘリウム) または炭酸ガスの気圏で包む方式とがある。アーク発生には,溶接材を一方の電極とし,対電極に溶接棒を使う方式と,タングステンの非消耗電極を使う方式がある。これら諸法の組合せで実際の技法が決る。 (1) 慣行の被覆溶接法 溶接棒を直接に電極とし,被覆溶剤が溶けて溶接部を外気から保護する方式で,鉄鋼におもに使われる。 (2) 不活性ガス溶接法 種々あるが,非消耗電極を使って溶接棒を用いないティグ (TIG) 法と,裸溶接棒を電極とするミグ (MIG) 法とが主流である。後者では裸棒をリールから繰出して連続式とする。いずれも鉄鋼のほか銅,アルミニウム,マグネシウム,ニッケルなどの非鉄合金に適用できる。 (3) 炭酸ガス法 ミグ法と同原理で,被包ガスは炭酸ガスまたはこれに酸素を混ぜたものとし,裸溶接棒も内包溶接棒も用いられる。 (4) サブマージアーク (潜弧) 溶接法 側管から溶剤を供給し,これにおおわれた溶融溶剤中のアークで深く溶接する方法で,裸棒をリールから高速で送って自動連続式にでき,おもに鉄鋼に応用される。第2次世界大戦後日本に導入され,造船工業に最も大きく貢献した方法である。以上のほか,小物の植込みにスタッド溶接,線材の接着にバット溶接などもある。

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デジタル大辞泉の解説

アーク‐ようせつ【アーク溶接】

電気溶接の一。アーク放電によって生じる高熱を利用して金属を溶接する方法。

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百科事典マイペディアの解説

アーク溶接【アークようせつ】

溶接する母材と電極棒の間または2本の電極間にアークを発生させ,生ずる高温を利用する溶接法。直流・交流の双方が使われる。電極棒が溶接棒を兼ねる消耗式と,炭素またはタングステンを電極とする非消耗式がある。
→関連項目アーク放電ガス溶接電気溶接

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アーク溶接
あーくようせつ
arc welding

電気アークの熱を利用し、金属材料を局部的に溶融して接合する方法。電気アークは温度が5000~6000Kであり、金属を溶融させるのに非常に有効な熱源である。金属を大気中で溶接すると、大気中の酸素や窒素が溶融金属の中へ溶け込み、そのため凝固後の溶接金属の機械的性質が劣化することが多いので、一般には、被覆剤や不活性ガスを用いて溶融金属を大気から遮断して溶接する、各種の方法が採用されている。
 被覆アーク溶接は、被覆溶接棒と被溶接物(母材)との間にアークを発生させ、溶接棒と母材とを溶融させて溶接する方法である。被覆溶接棒は裸の金属心線の周りに有機物、無機物、脱酸剤などからなる被覆剤を塗布したものである。このような被覆剤はアークを安定させ、被覆剤から発生したガスおよび被覆剤自体が溶融して生成する溶融酸化物(スラグ)層によって溶接金属を大気から保護する。この方法はもっとも古くから発達したもので、設備も簡単で、構造用鋼をはじめ各種鋼材の各種姿勢での溶接に広く用いられている。この方法は一般に手で操作されるので手溶接ともよばれる。
 サブマージアーク溶接(潜弧(せんこ)溶接)は、溶接継手の表面に盛り上げた粒状フラックスflux(被覆剤)の中へ裸の電極線を送り込み、その先端と母材との間にアークを発生させ、連続的に溶接を行う自動溶接法である。アークはフラックスに覆われて外からみえないのでこの名称がつけられた。この方法は大電流で溶接ができるので非常に能率がよく、被覆アークに比べ溶接速度を3~6倍以上にすることができる。おもに造船、鋼管、貯蔵タンク、橋梁(きょうりょう)など大型構造物の溶接に利用されている。しかし継手に粒状フラックスを散布するので、溶接姿勢が限定される。
 不活性ガスアーク溶接としてはティグ(TIG)溶接(非消耗電極式)とミグ(MIG)溶接(消耗電極式)がある。両者とも溶接部へアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスを吹き付けて溶接するが、ティグ溶接はタングステン電極と母材との間にアークを発生させる。この場合、タングステン電極の先端は溶融せず、側面から挿入した棒状の溶加剤の先端と母材が溶融して溶接が行われる。薄板を溶接する場合は溶加剤を用いなくてもよい。ミグ溶接は電極線を用い、その先端と母材との間にアークを発生させ、両者を同時に溶融させて溶接する方法である。不活性ガスアーク溶接はフラックスが不要なため、どのような姿勢でも高能率の溶接が可能である。溶接部の品質が優れており、アルミニウム、チタン、ジルコニウムなど大気の悪影響を受けやすい金属の溶接に適している。
 炭酸ガスアーク溶接は、ミグ溶接の不活性ガスのかわりに安価な炭酸ガスを用いて鋼を溶接する方法である。炭酸ガスは高温で酸化性を示すので、あらかじめ電極線に脱酸性の成分を加えておく。この方法は自動あるいは半自動溶接で行われるが、最近、自動車、造船、橋梁など軟鋼、低合金鋼の溶接に、被覆アーク溶接にかわって急速に利用が拡大している。
 スタッド溶接もアーク溶接の一種である。この方法では、スタッドstudとよばれる直径10ミリメートルまでの金属棒材(銅、黄銅)を母材に接触させておき、次にスタッドを母材から少し離して電気アークを発生させる。スタッド先端と母材が適当に溶融したとき、スタッドを押し付けて溶接させる。とくに被覆剤や不活性ガスは用いないが、陶器製のアークシールドでスタッドの末端を囲み、その内部でアークを発生させる。最近この方法は鉄骨建築に多用されている。[桑名 武・原善四郎]

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世界大百科事典内のアーク溶接の言及

【溶接】より

…このように溶接は古代から知られていた技術であるが,本格的に発達しだしたのは,電気エネルギーを容易に利用しうるようになってからのことである。アーク溶接,電気抵抗溶接はもとより,テルミット反応による発熱を利用したテルミット溶接,ガス溶接など,現在用いられているおもな溶接はほとんど19世紀の末期に発明されている。その後,漸次,改良の時代を経て溶接の利用度は増加していった。…

※「アーク溶接」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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