イオカステ(その他表記)Iokastē

デジタル大辞泉 「イオカステ」の意味・読み・例文・類語

イオカステ(Iokastē)

ギリシャ神話で、テーベライオスの妻。オイディプスを産んだが、のちに、それと知らず、我が子の妻となり、アンティゴネら四人の子をもうけた。近親相姦事実を知って自殺
(Iocaste)木星の第24衛星。2000年に発見。名はに由来。非球形で平均直径は約5キロ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イオカステ」の意味・わかりやすい解説

イオカステ
Iokaste

ギリシア神話の英雄オイディプスの母。メノイケウスの娘で,テーベ王ライオスの妃となりオイディプスを生んだが,息子に殺されるという神託を恐れたライオスは,この子を生後すぐにかかとをピンで貫き,キタイロンの山中に捨てさせた。しかしオイディプスは拾われてコリント王の養子として育てられ,成人すると予言どおり自分の父とは知らずにライオスを殺し,そのあとテーベに来てスフィンクスの謎を解き,イオカステと結婚した。オイディプスとの間に4人の子を生んだあとで,母子婚の事実が明らかになると,イオカステは首を吊って自殺したという。

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百科事典マイペディア 「イオカステ」の意味・わかりやすい解説

イオカステ

ギリシア伝説のテーバイ王ライオスの妃,オイディプスの母にして妻。その悲劇的な生涯ソフォクレスオイディプス王》などで有名。
→関連項目クレオン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イオカステ」の意味・わかりやすい解説

イオカステ
いおかすて
Īokastē

ギリシア神話においてテバイ(テーベ)王ライオスの妻。ライオスの死後、テバイの支配者となったクレオンの姉妹。初めライオスの妻となり、オイディプスを生んだが、のちにそれと知らずわが子オイディプスの妻となり、息子との間にエテオクレスポリネイケス、アンティゴネ、イスメネをもうけた。その近親相姦(そうかん)の事実を知ったとき、イオカステは首をくくって死んだ。なお彼女の名は、ホメロス叙事詩ではエピカステとなっている。

[小川正広]

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世界大百科事典(旧版)内のイオカステの言及

【アンティゴネ】より

…ギリシア伝説で,テーバイ王オイディプスとその母イオカステIokastēとの娘。オイディプスがみずから盲目となって国を出たとき,彼女は父の手を引いて放浪の旅につき従い,彼がアテナイ近郊のコロノスで世を去るまで,孝養をつくした。…

【オイディプス】より

…慣用的呼称ではエディプス。テーバイ王ライオスLaiosとイオカステIokastēの子。もし男子をもうければその子は父殺しになろうとの神託をうけていたライオスは,妃が男児を産んだとき,そのかかと(踵)をピンでさし貫いて山中に捨てさせたが,赤児は牧人に拾われ,コリントス王の子オイディプスとして育てられた。…

【オイディプス王】より

…そして今また第2のなぞ解きに挑戦したのである。その結果,殺害犯人とはほかならぬ彼自身であること,いな,それどころか,先王ライオスとは彼の父であり,妻イオカステが母であることを発見する。それは,かつてライオスに,そしてまた彼自身にも告げられたアポロンの予言がすでに成就していたということを意味した。…

※「イオカステ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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