いな(読み)イナ

精選版 日本国語大辞典 「いな」の意味・読み・例文・類語

い‐な

  1. ( 終助詞「い」に終助詞「な」が付いたもの ) 軽い感動を表わす。女性使用が多い。いなあ。
    1. [初出の実例]「切(きら)れてお果なされたといな」(出典:浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)四)
    2. 「コレ申、どなたぞ此娘御さんを、早ふ連て往て下さんせいな」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)五立)

いな

  1. 〘 名詞 〙 ( 「無い」を転倒したもの ) 「無いこと」をいう隠語
    1. [初出の実例]「是太郎四郎、日りんがいなぢゃ、入(いれ)て来て下あれ」(出典:浮世草子・当世芝居気質(1777)一)

いな

  1. 〘 名詞 〙 貝「かわにな(川蜷)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のいなの言及

【後産】より

…後産で娩出された胎盤,卵膜,臍帯は合わせて約500~600gであり,その間の出血量はおよそ100~150mlである。出産【岩崎 寛和】
[民俗]
 日本では地方によってノチザン,クチザン,ゴサン,エナ(胞衣),イナ,イヤなどという。エナが出ることによって分娩は終わる。…

【ボラ(鯔)】より

…出世魚の一つで,稚魚から成魚まで段階別に各地でいろいろな名で呼ばれる。代表的なものはハク,ゲンプク,キララゴ(全長2~3cm),オボコ,オボッコ,イナッコ,スバシリ(3~18cm),イナ(18~30cm),ボラ(30cm以上)で,とくに大きくなったものをトド(〈とどのつまり〉の語源)という。縁起のよい魚として親しまれ,昔は尾頭付きの膳に出されることが多く,とくに,〈お食い初め〉の膳にはとんとん拍子に出世するということで欠かせないものであった。…

※「いな」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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