ウエストエンド（読み）うぇすとえんど（英語表記）West End

デジタル大辞泉

ウエスト‐エンド（West End）

英国の首都ロンドン中心部の一地区の通称。テムズ川北岸、シティー西側からハイドパークまでをさす。オックスフォードストリート、ソーホー、ボンドストリート、リージェントストリート、ピカデリーなど、ロンドンを代表する繁華街がある。

出典　小学館

日本大百科全書(ニッポニカ)

ウェスト・エンド
うぇすとえんど
West End

イギリスの首都ロンドンの中心部、シティの西側一帯、ハイド・パークに至る地区の俗称。テムズ川の北岸にあたり、ロンドン市内でもっともにぎやかな繁華街が集まっている。なかでも東西に走るショッピング街であるオックスフォード街、そのすぐ南側に位置して国際色豊かな歓楽街ソーホー、高級商店街で有名なボンド街とリージェント街、それらの繁華街の中心点にあたるピカデリー・サーカス、繁華街の南端に位置するトラファルガー・スクエアなどが有名。ナショナル・ギャラリー、ナショナル・ポートレート・ギャラリー、大英博物館、人類博物館、ロンドン大学本部、ロイヤル・オペラハウスなどの文化・教育施設も多い。西端のメイフェア地区は最高級住宅地であったが、今日では一流ホテル、各国大使館、事務所の進出が目だつ。なお南隣に議会、官庁街、バッキンガム宮殿などが集まる政治の中心、旧ウェストミンスター地区がある。

［久保田武］

[参照項目] | ウェストミンスター

大英博物館

トラファルガー・スクエア

ロンドン・ナショナル・ギャラリー

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ウェストエンド
West End

イギリス，ロンドンの地区。ロンドン市 (シティ) から西へ発展した地区をさす。ウェストミンスター区の東部一帯にほぼ相当し，チャーリングクロス通り付近から，ベイズウォーター通り付近までを含む。シティの発展に伴って 17世紀末頃からここに聖堂，王宮，政府関係機関が建てられ，貴族，上流階級が高級住宅街区を形成しはじめたが，やがてピカデリー，ソーホー，レスターなどの広場を中核として一大商業地区ができ，現在はピカデリーサーカスを中心としてオックスフォード街，ボンド街，リージェント街などのショッピング街に高級専門店，映画館，劇場などが集中するロンドン最大の繁華街となっている。トラファルガー広場，大英博物館，ハイドパークなど観光名所も多い。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

知恵蔵

ウエストエンド

英国ロンドンの商業演劇街。ブロードウェーと並ぶ劇場街で、40余りが集中し、世界中から観客が集まる。この他、ウエストエンドに属さない公共劇場の国立劇場と小劇場の別称であるフリンジも、ロンドン演劇界の大きな柱をなす。

(扇田昭彦 演劇評論家 ／ 2007年)

出典　(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

世界大百科事典（旧版）内のウエストエンドの言及

【ウェストミンスター】より

…1834年の火災ののち，C.バリーの設計により国会議事堂，官庁街，トラファルガー広場などの整備が進み，現在の景観が整えられた。バッキンガム宮殿，四大公園，劇場，クラブ，レストラン，ホテル，商店もここに位置し，〈ウェスト･エンド〉のにぎわいをみせている。【今井 宏】。…

【ロンドン】より

…またロンドン自体が巨大な消費市場であるため，商業活動も活発である。スミスフィールドの肉市，スピタルフィールズ，およびコベント･ガーデンから移設されたナイン･エルムズの両青物市などの伝統的な卸売市場のほか，ウェスト･エンドのリージェント街，ボンド街，オックスフォード街が高級ショッピング街として名高い。ロンドンは工業都市としても重要であり，ウェスト･エンドやイースト･エンドには衣服，宝石などの小規模な消費財工業が，テムズ川下流沿岸にはセメント，精糖，自動車，造船などの重工業がそれぞれ立地する。…

※「ウエストエンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」