ウマノスズクサ科(読み)うまのすずくさか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウマノスズクサ科」の意味・わかりやすい解説

ウマノスズクサ科
うまのすずくさか
[学] Aristolochiaceae

双子葉植物、離弁花類。多年草または低木で、しばしばつるになって他物に巻き付く。葉は互生し、托葉(たくよう)はない。花は両性で、左右相称あるいは放射相称となり、単出または総状花序をなす。萼(がく)は筒状ないし鐘状となり、上部は等しく3裂するか、あるいは一側だけ大きくなってらっぱ状の特異な形となる。花弁は通常退化している。雄しべは6~40本で、花柱の周りに一ないし二重に輪生する。雌しべは3~6本で、花柱はそれぞれ離れているが、ときには合生して1本の柱状となることもある。子房は普通は下位。果実は多数の種子を含んだ蒴果(さくか)または液果状となる。熱帯を中心に温帯域にまで分布し、7属600種ほどが知られ、日本にはウマノスズクサ属6種、カンアオイ属40種ほどが自生する。ウマノスズクサの仲間はジャコウアゲハ幼虫の食草として知られる。一方カンアオイの仲間の多くはギフチョウの幼虫の食草となる。APG分類でもウマノスズクサ科とされている。

菅原 敬 2018年7月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウマノスズクサ科」の意味・わかりやすい解説

ウマノスズクサ科
ウマノスズクサか
Aristolochiaceae

双子葉植物ウマノスズクサ目の1科。世界の熱帯から温帯にかけて広く分布し,約7属 625種が知られる。低木または草本で,つるになって巻きつくものもあり,葉腋に1~数個の花をつける。花は,普通,花弁が退化し (Saruma属のみ3枚の花弁をもつ) ,が花弁状になってさまざまな形に変化する。筒状または鐘状の萼筒内には,3~6本のめしべと6~40本のおしべがあり,おしべは合着した花柱あるいは子房壁のまわりに配列する。ウマノスズクサ Aristolochia,カンアオイ AsarumSarumaThotteaなどの諸属が知られる。

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