エウラリウス(英語表記)Eulalius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エウラリウス」の意味・わかりやすい解説

エウラリウス
Eulalius

[生]?
[没]423. カンパーニア
教皇ボニファチウス1世在位 418~422)の対立教皇(在位 418~419)。助祭長(→助祭)を務めていたときに,ボニファチウス1世に敵対する聖職者たちに擁立された。この対立が,ときの権力者による教皇選挙への初めての干渉を招くこととなった。西ローマ皇帝ホノリウス(在位 393~423)は,教皇と対立教皇の両者に,ローマを離れ,追ってくだされる議会決議に従うよう命じた。だが当初皇帝の支持を得ていたエウラリウスは,ラテラノ大聖堂で行なわれる聖週間儀式をとりしきるためローマに戻った。皇帝の命令に背いたことで支持を失い,ボニファチウス1世が正統な教皇として承認された。ボニファチウス1世が死去すると,再び教皇座をねらうかとみられたが,健康状態が悪く実現できなかった。423年,カンパーニア(→カンパーニア州)でひっそりと死去した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android