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競業避止義務 きょうぎょうひしぎむ

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

競業避止義務

取締役に課せられた競業禁止義務のこと。取締役の競業行為は会社法365条により禁止されており、自己または第三者のために競業関係にある会社に就職したり、競業関係にある事業を行なうことはできない。取締役会の承認を得ずに、このような競業行為がなされた場合、取締役会はその取引を会社のために行なわれたものとみなせる。

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百科事典マイペディアの解説

競業避止義務【きょうぎょうひしぎむ】

営業者の営業と競争的性質をもつ行為をしてはならないこと。商法上,支配人代理商,営業を譲渡した商人,会社法上では取締役,持分会社の業務執行社員がこの義務を負う。
→関連項目合名会社

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人事労務用語辞典の解説

競業避止義務

競業避止義務」とは、労働者は所属する企業と競合する会社・組織に就職したり、競合する会社を自ら設立したりするなどの競業行為を行ってはならないという義務のことです。一般に在職中は、労働契約における信義誠実の原則にもとづく付随的義務として競業避止義務を負うとされ、また取締役は会社法365条により、在任中は取締役会の承認なしに会社の営業の部類に属する業務を行うことを禁止されています。しかし退職後においては、職業選択の自由の観点から競業禁止義務は生じないとされ、使用者が退職後の労働者にもこれを課す場合は就業規則などに必要かつ合理的な範囲で法的根拠を明示する必要があります。
(2013/4/26掲載)

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M&A用語集の解説

競業避止義務

売却企業側の経営者がM&A後に同一事業を営業すると買収企業側がM&A後の営業上、著しい損失を被る。これを避けるため、最終契約に競業避止義務条項を盛り込むことが多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうぎょうひしぎむ【競業避止義務】

たとえば,家具の製造・販売を目的とする会社の取締役が,個人としても家具の製造・販売を営むならば,会社の得意先が奪われ会社が損害を被る危険がある。そこで法は,取締役にはこのような競業行為を一般的に禁止し,一定の手続を経た場合に限ってそれを許すことにしている。取締役の側から見ると,会社との競業を避ける義務を負わされていることになるので,競業避止義務と呼ばれる。このような義務を負うのは取締役だけに限らない。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

競業避止義務
きょうぎょうひしぎむ
Konkurrenzverbot

ある一定の者が,自己または第三者のために,営業者の営業や会社の事業の部類に属する取り引きを行なうことを避ける義務。商法および会社法は,支配人(商法23,会社法12),代理商(商法28,会社法17),持分会社業務執行社員(会社法594),営業譲渡人(商法16。→営業譲渡)および事業譲渡した会社(会社法21)についてこの競業避止義務を負わせている。また,取締役または執行役が自己または第三者のために株式会社の事業の部類に属する取り引き(→自己取引)をしようとするときには,株主総会(取締役会設置会社においては取締役会)において,その取り引きについて重要な事実を明らかにし,承認を受ける必要がある(会社法356条1項1号,365条1項,419条2項)。違反した取締役は会社に対して損害賠償責任を負い(423条1項),また当該取引によって取締役らが得た利益の額は,任務を怠ったことにより会社に生じた損害の額と推定される(423条2項)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

競業避止義務
きょうぎょうひしぎむ

ある者が他の者と一定の関係がある場合に、その者が自己または第三者のために、他の者と営業上または事業上で競争的な性質をもつことになる行為をしてはならないという義務。商法や会社法では、営業譲渡人・事業譲渡人(商法16条、会社法21条)のほか、支配人(商法23条、会社法12条)、代理商(商法28条、会社法17条)、持分(もちぶん)会社の業務執行社員(会社法594条)、株式会社の取締役・執行役(会社法356条、365条、419条2項)が、この種の義務を負うことが定められている。営業譲渡・事業譲渡の場合には、譲渡した営業・事業には従来の得意先、仕入先、創業の年代、営業・事業上の秘訣(ひけつ)など、財産的価値ある事実関係を含むので、競業しないことが営業譲渡人・事業譲渡人の当然の義務と解されている。また、支配人、代理商、業務執行社員、取締役等については、営業主である商人の営業、会社の事業に関して得た知識や得意先等を利用し、商人・会社等の犠牲において、自己または第三者の利益を図るのを防止するために、この義務が認められている。一般的には、当該営業・事業の部類に属する行為あるいは同種の営業・事業行為が制限されるが、支配人の場合には、商人・会社に対する従属関係にあることを理由として、自ら営業・事業をしたり他の商人・会社の使用人になるなど、精力が分散することも制限される。競業避止義務違反の場合、違反者は損害賠償責任を負う。[戸田修三・福原紀彦]
『外井浩志著『競業避止義務をめぐるトラブル解決の手引』(2006・新日本法規出版)』

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