出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…語源は不明であるが,小アジア系統の楽器あるいは楽曲に由来すると推測されている。ギリシア人は一般に笛の伴奏によって歌われる,六脚詩一行と五脚詩一行を交互に連ねた二行連詩からなる短詩形の詩をエレゲイアelegeiaと呼び,その形と名称は古代ローマの詩人たちの間でも踏襲されている。その詩形に盛られた内容は,古典期ギリシアにおいては多岐にわたり,政治,軍事,人生論,神観,酒,美少年などのテーマを含み,また墓碑もこの詩形をもってつづられているものが多い。…
…文学サロンで初めて自作を朗読したときから好評で,たちまち社交界の寵児になり,次々に新作を発表した。 最初の詩集《恋の歌》3巻は,さまざまなテーマの詩から成るが,中心はティブルスやプロペルティウスから継承した恋愛エレゲイア詩で,コリンナに対する彼の恋を歌ったものが多い。しかし先輩たちの強烈な感情に代わって,やや冷めたアイロニーが見られ,体験の詩であるよりは,想像と修辞の産物である。…
… マルティアリスの作品は《エピグラム集》となって伝えられており,80年のコロセウム開場を語る詩集,12巻のエピグラム集と2巻の食卓のメニューおよび饗宴の客に贈る土産の品をテーマとする詩集から構成されている。全体で1500を超える彼の詩のうち80%以上にあたる1200余は,2行単位のエレゲイアの韻律で書かれており,マルティアリスがこの詩型を好んでいたことがうかがわれる。詩人の興味は,彼のまわりにいた人間たちに向けられ,後1世紀当時のローマのさまざまな人間模様が,エピグラムの中にいきいきと写し取られている。…
…コロフォン出身。エレゲイア調の詩集2巻があったが,20余りの小断片のみが伝わる。1巻は,彼が愛した笛吹女にちなんで〈ナンノ〉と呼ばれた。…
※「エレゲイア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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