オオノガイ(読み)おおのがい(その他表記)soft clam

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオノガイ」の意味・わかりやすい解説

オオノガイ
おおのがい / 大野貝
soft clam
soft shell clam
[学] Mya arenaria oonogai

軟体動物門二枚貝綱エゾオオノガイ科の二枚貝。別名オオムラガイ(大村貝)、モンジュノシラガイ(文珠の白貝)など。日本全国の内湾の、淡水の影響のある泥底干潟にすみ、底質中に深く潜入している。このため、水管はきわめて長いのが特徴。殻は卵楕円(だえん)形で灰白色。殻長100ミリメートル、殻高60ミリメートルに達し、前縁は丸く後縁はいくぶん細まり、前後端がきっちりあわず、すこし開いている。殻皮はほとんどはがれているが腹縁で残っていて、水管の上にも連続している。内面白色で、左殻頂下からスプーン形の大きい弾帯受けが突き出て右殻頂の下に入り、それにのったようになった弾帯で両殻は結ばれている。外套(がいとう)湾入は深い。軟体も白色で、出入水管は合して太く長い。産卵期は4~10月で、1年で殻長40~50ミリメートル、3年で80ミリメートルぐらいになる。採取は冬に行われ、泥を深く掘り下げてとり、おもに水管を食用にする。

[奥谷喬司]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オオノガイ」の意味・わかりやすい解説

オオノガイ
Mya arenaria oonogai; soft clam; soft shelled clam

軟体動物門二枚貝綱オオノガイ科。別名オオムラガイ,天橋立地方では文珠の白貝とも呼ばれる。殻長 10cm,殻径 5.7cm,殻幅 3.7cm。殻は卵形で前端が丸く,後方へ狭くなり,両殻の間は狭く開く。殻表は白色であるが汚れて黒褐色みを帯びる。内面は白色。左殻頂の下に大きな石灰質の弾帯(内靭帯)受が突き出し,右殻頂の下に入り,その間にある黒い弾帯によって両殻は結ばれている。軟体は白色。太くて長い出・入水管は互いに合しており,黒みを帯びた革質のさやで包まれている。九州地方以北の内湾の潮間帯付近の泥底に深い穴を掘ってすむ。原種ヨーロッパ,北アメリカに分布する。産卵期は 4~10月で,1年で 4~5cm,3年で 8cmぐらいに成長する。10月~3月頃にかけて採取する。肉は柔らかくて美味。(→二枚貝類

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百科事典マイペディア 「オオノガイ」の意味・わかりやすい解説

オオノガイ

オオノガイ科の二枚貝。長卵形で,高さ5.5cm,長さ10cm,幅3.5cm。殻は灰白色で薄質,その上を淡黄白色の殻皮がおおう。右殻は左殻より少し大きく,両殻の後端はすきまがあく。左殻頂の下にスプーン状の突起がある。水管は長い。産卵期は4〜10月。九州以北の内湾の潮間帯の泥底にもぐってすむ。ヨーロッパ,北アメリカにも広く分布。肉は美味でスープなどにする。

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