オガルカヤ(英語表記)Cymbopogon tortilis Hitchc.ssp.goeringii(Hand.-Mazz.)T.Koyama

改訂新版 世界大百科事典 「オガルカヤ」の意味・わかりやすい解説

オガルカヤ
Cymbopogon tortilis Hitchc.ssp.goeringii(Hand.-Mazz.)T.Koyama

日当りよく乾燥した原野に生えるイネ科多年草。イネ科でカルカヤと呼ばれるものにはオガルカヤとメガルカヤがあるが,両者はそれぞれ別属のものである。茎は株を作り,細いが硬く,高さは1mに達する。葉は細い線形で,白っぽい緑色,長さは30cmくらい,幅は3mm弱で,やや硬く,先は長くとがる。夏の終りから秋にかけて,茎の上部に円錐状に小穂をつけ,その長さは40cmに及ぶ。総(ふさ)は披針形で,淡い褐紫色を帯び,2個ずつ葉腋(ようえき)につく。小穂は対をなして総につき,1個は有柄で雄性,他の1個は無柄で両性である。この粉花序の形がスズメが飛んでいるように見えるので,スズメカルカヤ別名がある。本州から琉球諸島に見られ,中国中南部に分布する。オガルカヤ属Cymbopogonはアフリカとアジアの熱帯亜熱帯に30種くらいあるが,精油を含んでいてコウスイガヤレモングラスのように香料用,薬用になるものが数種あり,観賞用に栽植もされる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オガルカヤ」の意味・わかりやすい解説

オガルカヤ
おがるかや / 雄刈萱
[学] Cymbopogon tortilis (Presl) Hitchc. var. goeringii (Steud.) Hand.-Mazz.

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。稈(かん)は株立ちし、直立して高さ0.6~1メートル。8~9月に稈の先は短く分枝して多数の花序をつける。植物体は普通は赤紫色を帯びる。花序にはボート形の包葉に包まれて2本ずつの小花序がつき、小穂が列生する。小穂は2小花をもち、対(つい)をなし、一つは有柄で芒(のぎ)がなく、一つは無柄で芒がある。本州から沖縄、小笠原(おがさわら)の丘陵地草原に生える。花序のすこし小さい基本種は中国南部、東南アジア、インドに分布する。名は、メガルカヤに対応してよばれる。この属の植物でレモングラスlemon grassやシトロネラグラスcitronella grassなどはその芳香油が広く利用される。

[許 建 昌 2019年8月20日]

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百科事典マイペディア 「オガルカヤ」の意味・わかりやすい解説

オガルカヤ

カルカヤ

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オガルカヤ

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