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オルグレン オルグレンAlgren, Nelson

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オルグレン
Algren, Nelson

[生]1909.3.28. デトロイト
[没]1981.5.9. ニューヨーク,サグハーバー
アメリカの作家。シカゴのポーランド移民のスラム街ウェストサイドで育ち,イリノイ大学卒業後,雑多な職業についたが,1933年最初の短編『神かけて』 So Help Meを『ストーリー』誌に発表,以後作家生活に入る。不況時代の浮浪者たちを扱った最初の小説『浮浪者』 Somebody in Boots (1935) ,次いでシカゴのウェストサイドの不良青年を主人公にした『朝はもう来ない』 Never Come Morning (42) を発表して,J. T.ファレル,R.ライトに匹敵する新しい自然主義作家として認められた。代表作『黄金の腕を持つ男』 The Man with the Golden Arm (49) は,「黄金の腕」を持った賭博師を中心にシカゴの貧民街の生活を描いたもので,全米図書賞を受けた (56映画化) 。その他,短編集『ネオンの荒野』 The Neon Wilderness (47) ,小説『狂った町』A Walk on the Wild Side (56) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オルグレン
おるぐれん
Nelson Algren
(1909―1981)

アメリカの作家。シカゴ・リアリズム派に属し、プロレタリア作家の抗議姿勢を保ち、下層社会に生きる人間たちの貧困と失敗の姿をスラングの多い破格な語法を用いて活写した。処女作『長靴をはいたやつ』(1935)で1930年前後の不況期に成長する少年の放浪と犯罪を、『朝はもうこない』(1942)ではシカゴのスラム街を背景に、拳闘(けんとう)家志望のポーランド系少年をめぐる暴力と愛欲の世界を描いた。第二次世界大戦中、兵役に服したのち、短編集『ネオンの荒野』(1947)を発刊し、続いて代表作『黄金の腕の男』(1949)では、賭博(とばく)の才能に長じたモルヒネ常用者フランキーが、退廃した環境の醸成する挫折(ざせつ)感に圧迫されていく過程をたどり、全米図書賞を受賞。不況期の底辺社会層に渦巻く悪夢と性欲の様態を描く『荒野を歩め』(1956)や、短編・回想録・旅行記を集めた『最後の回転木馬』(1973)でも、著者は一貫して、限界状況下の人間行為を主題に据えている。[邦高忠二]
『高橋豊訳『黄金の腕』(ハヤカワ文庫) ▽三谷貞一郎訳『荒野を歩め』(1975・晶文社)』

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