オルドバイ遺跡(読み)オルドバイイセキ(その他表記)Olduvai

デジタル大辞泉 「オルドバイ遺跡」の意味・読み・例文・類語

オルドバイ‐いせき〔‐ヰセキ〕【オルドバイ遺跡】

Olduvai site》アフリカ東部のタンザニアオルドバイ峡谷で発見された旧石器時代遺跡。180万年以前の猿人原人化石や、最も初歩的な礫石器れきせっきおよび握斧あくふなどを出土。堆積層の保存がよく、人類初期を示す重要な遺跡となっている。ンゴロンゴロ保全地域内にあり、2010年に世界遺産複合遺産)に追加登録された。オルドワイ遺跡

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルドバイ遺跡」の意味・わかりやすい解説

オルドバイ遺跡
オルドバイいせき
Olduvai

東アフリカ,タンザニアの山峡地帯にある世界最古の旧石器文化遺跡。オルドバイ峡谷には数多くの遺跡があり,ここでは 1930年代から L.リーキーらによって調査が続けられている。ここからは,礫器を主体とした世界最古の石器文化とされているオルドバイ文化,握斧系石器文化の前期にあたる前期アシュール文化,握斧系文化の発展したものである後期アシュール文化が層位を別にして発見されている。この遺跡は単に世界最古の石器文化層が発見されただけでなく,礫器文化から握斧文化への順序を追った発展がとらえられており,前期旧石器文化の発展はアフリカでなされたことが明らかにされている。さらに多くの獣骨もともに発見されており,これらの石器を残した人々の環境,生業などを明らかにする資料をも提供している。また,石器群と同一の層から,アウストラロピテクス類の猿人の化石骨も発見され,この猿人骨をめぐって,石器を残した人と考えるか,石器を残した人によって食料にされた猿人の骨と考えるか意見が分れている。世界最古,最重要の遺跡である。

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世界大百科事典(旧版)内のオルドバイ遺跡の言及

【アシュール文化】より

…フランスのドルドーニュ地方ではウルム氷河期になって特殊な発展が認められ,それはミコック文化の名で呼ばれている。ただアシュール文化における石器製作技術の進展は,最近ではヨーロッパよりもアフリカでよりよく知られている(タンザニアのオルドバイ遺跡)。アルジェリアのテルニフィヌTernifine遺跡において,原人の骨がアシュール文化に共伴し,その文化の担い手が原人であることが明らかとなった。…

【猿人】より

…食生活のうえでは大なり小なり,肉食が行われていたと推定されている。それを裏づける典型的な例は,タンザニアのオルドバイ遺跡で発見されたゾウの化石の場合である。当時すんでいたゾウ(レックゾウ)の1体分の骨があって,そのそばに大小の多数の石器があった。…

※「オルドバイ遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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