オーディオ機器(読み)オーディオきき

百科事典マイペディア 「オーディオ機器」の意味・わかりやすい解説

オーディオ機器【オーディオきき】

オーディオの基本は音を聴いて楽しむことにあり,レコードを聴くための蓄音機と放送を聴くためのラジオ受信機が一体化した電気蓄音機が最初のオーディオシステムといえる。 1960年代後期のテープレコーダー普及,とくにカセットテープ出現により,家庭において簡易に放送の収録やレコードのダビングができるようになり,オーディオの分野が一段と拡張した。与えられたプログラムソースを聴くだけの受身のオーディオから,個人的趣味の分野の音を録音して楽しむ〈生録(なまろく)〉といわれる分野が生まれた。また,伴奏音楽をオーディオ装置で再生し,歌を歌って楽しむ〈カラオケ〉も新しいオーディオの一分野といえる。オーディオ信号の伝送再生方式は,モノフォニックモノーラル)方式から,ステレオフォニック方式主体となった。ステレオ再生装置は2チャンネルの伝送系が一般的であるが,ワイドスクリーン映画で用いられるマルチチャンネル方式のように,全周囲にサウンドステージを作る(サラウンド)4チャンネル方式も家庭用機器に開発されている。一方,マイコン制御機能の導入により,演奏やその再生が容易になった電子楽器とオーディオ機器との結合の分野も育ちつつある。さらにデジタル信号処理技術の進展とビデオ機器,コンパクトディスクCD)の普及により,オーディオ機器は単に《聴く》という意味から,映像を《見る》をも兼ね備えたオーディオ・ビジュアルの分野へと広がっている。
→関連項目ステレオ音響ハイファイパワーアンププリアンプ

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世界大百科事典(旧版)内のオーディオ機器の言及

【音響機器工業】より

…ラジオ,テープレコーダー,ステレオ(ステレオ・セットおよびコンポーネント),およびその周辺機器など音や声を録音・再生する製品(テレビやビデオテープレコーダーは音も出るが,映像中心なので音響機器には入れない)を製造する産業で,家庭電器産業の一端を担っている。音響機器(オーディオ機器ともいう)生産額は家電製品総生産額の2割弱を占めている(1980年代初)。 日本における音響機器産業の歴史は明治時代末期に始まる。…

※「オーディオ機器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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