カエデ科(読み)かえでか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カエデ科」の意味・わかりやすい解説

カエデ科
かえでか
[学] Aceraceae

双子葉植物、離弁花類。低木ないし高木。落葉樹が多いが、亜熱帯から熱帯には常緑のものもある。葉は対生し、多くは単葉で、一部の樹種のみ複葉を有する。托葉(たくよう)はない。雌雄異株または同株。花は単性または両性の小花。花弁萼片(がくへん)はそれぞれ普通は5枚で、4~6枚のものもあり、雄しべは普通は8本で、4~12本のものもある。子房は上位で2室。花柱は1本で先は2裂する。果実は2個の種子を含み、扁平(へんぺい)な翼がある。種子は胚乳(はいにゅう)を欠く。カエデ属Acer約160種とコムクロジ属Dipteronia2種からなり、北半球の温帯を中心に分布する。コムクロジ属は中国の中部から南部にある落葉小高木ないし中高木で、果実の翼が細く伸びずに、種子の周囲を円形に囲んでいる点でカエデ属と異なる。

緒方 健 2020年9月17日]

 APG分類ではカエデ属とキンセンセキ属(コムクロジ属)はムクロジ科とされたため、カエデ科は消滅した。

[編集部 2020年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カエデ科」の意味・わかりやすい解説

カエデ科
カエデか
Aceraceae

双子葉植物ムクロジ目の1科。北半球温帯を中心に2~3属約 200種が知られるが,アジア熱帯の Dipteronia属2種と北アメリカのネグンドカエデNegundo1種を除いては,すべてカエデ属 Acerに含まれる。また,ネグンドカエデもカエデ属とする説が有力である。いずれも高木で,葉は対生し,有柄で掌状に裂けた単葉 (いわゆるモミジ形) が多いが,まれに3出複葉や羽状複葉,あるいは単純葉の種もある。花は5数性で放射整形,おしべは5~10本。子房は明瞭に2分し,果実は水平,あるいは鋭角に向い合った独特な形の翼果をつくる。日本と中国に特に種類が多く,秋に紅葉 (黄葉) するのでよく知られる。

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世界大百科事典(旧版)内のカエデ科の言及

【カエデ(楓)】より

…花ことばは〈愛と豊饒〉。【荒俣 宏】
【カエデ科Aceraceae(英名maple family)】
 双子葉植物で,すべて木本性。カエデ属Acerとキンセンセキ属(金銭槭属)Dipteroniaの2属からなる。…

※「カエデ科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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