会社のなかの特定事業部門に予算、投資、人事などの権限を与え、原則として各事業部門(カンパニー)を独立採算制にする疑似的な社内分社制度。カンパニーごとに執行役員を配置して権限と責任を与えることで、経営判断を迅速化する効果がある。各カンパニーが独自の給与体系や採用制度をとれば、社員の意識改革が進んで専門性が高まるほか、人件費を抑制する効果もあるとされている。
アメリカで普及した制度で、事業部制と持株会社制度の中間的な経営手法といえる。各カンパニーは原則として社長や従業員、工場、資本金などヒト、モノ、カネの経営資源の配分を受け、損益計算、自己資本利益率(ROE)などで厳しく経営状況を管理される。
日本では長く独占禁止法で持株会社の設立が禁じられていたため、これに近い制度として1994年(平成6)に初めてソニーがカンパニー制を導入した。その後、総合商社、銀行、メーカー、小売業など大手企業の間で導入の動きが相次いだ。持株会社制度の解禁後はカンパニー制から持株会社制へ移行する企業も多い。
[編集部]
(2013-1-11)
(高橋宏幸 中央大学教授 / 2007年)
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