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カンムリツクシガモ カンムリツクシガモTadorna cristata; crested shelduck

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カンムリツクシガモ
Tadorna cristata; crested shelduck

カモ目カモ科。世界に 3点の標本(2点は山階鳥類研究所所蔵)があるのみで,1964年以後は確実な記録がないため絶滅したと考えられている。全長およそ 64cm。雄は頭上の後頭に伸びた冠羽(→羽冠),胸,初列風切羽,尾羽が緑がかった黒色で,顔の眼下から頸は灰褐色。腹,脇,背は暗灰色の地に黒色の細かい縞模様が密にある。雨覆は白く,翼鏡は緑色。雌は眼輪が白くその外縁が黒い。冠羽は緑黒色で,その下側の頸までの部分と雨覆が白い。体の他部位は暗褐色。繁殖分布は東アジア北部で,冬季にはやや南部のシャンハイ(上海)あたりまで南下したと考えられる。かつては東部シベリア朝鮮半島,日本にかけてかなり生息していたとみられるが,日本の記録は本種を描いた 1700年代と 1800年代の絵が残されているのみである。ロシアソビエト連邦時代の学会誌によれば,1936年に中国東北地方で 3羽が採集され,1964年にウラジオストク南西のリムスキーコルサコフ諸島で 3羽の観察記録がある。(→ガンカモ類

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カンムリツクシガモ
かんむりつくしがも / 冠筑紫鴨
crested shelduck
[学]Tadorna cristata

鳥綱カモ目カモ科の鳥。ツクシガモ類7種のうち、絶滅したと思われてきた東アジア産の著名な種。全長約64センチメートル。雄の頭上は黒く羽冠があり、顔から頸(くび)は灰色、体は灰褐色に白く細かい波線が密にあり、胸は黒い。雌の顔から頸は白く、黒い羽冠と眼鏡状の黒帯があり、体は黒褐色と黄白色の波斑(はん)である。日本には古画があるが、その図のように特徴の明らかな種である。旧ソ連と韓国で捕獲され現存する剥製(はくせい)3体のうち、2体は東京の渋谷にある山階(やましな)鳥類研究所に所蔵されている。1971年朝鮮半島北部で観察されたという報告があり、生存の可能性もでてきた。[黒田長久]

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世界大百科事典内のカンムリツクシガモの言及

【カモ(鴨)】より

…カササギガモCamptorhynchus labradorius(英名Labrador duck)は1875年以来記録がない。カンムリツクシガモTadorna cristata(英名crested shelduck)は1965年ころに観察記録があるが,それ以前の標本3体が残っているだけである。いずれも絶滅したと考えられる。…

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