ガンデン寺(読み)がんでんじ(英語表記)dga-ldan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガンデン寺」の意味・わかりやすい解説

ガンデン寺
がんでんじ
dga-ldan

チベット仏教黄帽(こうぼう)派(ゲルク派)の大本山。寺名は「歓喜寺(かんきじ)」の意。中国、チベット自治区の区府ラサ市の東北東40キロメートルのオンゴリ山頂にある。正しくはガンデン・ナンパル・ギャルウェイ・リンdga-ldan rnam-par rgyal-bai gliといい、セラ寺、タシルンポ寺、レプン寺とともに同派の四大本山をなす。1409年、ダライ・ラマ始祖にあたるツォンカパが53歳のときに建立し、以後ここを拠点として同派を宣揚した。高弟ケードゥプmkhas-grubが初代となり、代々高徳の者が法主を務め、ダライ空席のときの摂政(せっしょう)となった。顕教のみを学ぶ学問寺である。なお、モンゴルウランバートルにも同名の寺があり、同地の教学の中心寺院であった。近時、同寺に仏教大学も付設された。

[金岡秀友]

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改訂新版 世界大百科事典 「ガンデン寺」の意味・わかりやすい解説

ガンデン寺 (ガンデンじ)
dGa' ldan rnam par rgyal ba' i gling

中国のチベット自治区,ラサ東方約40kmの地にあるチベット仏教ゲルー派本山,僧院。開祖ツォンカパが1409年に創建した。仏教哲学を学習するシャルツェ(東院)とチャンツェ(北院)の2大学堂から成り,各学堂長はそれぞれゲルー派最高の密教実践集団ギュートゥーパ,ギューメーパの長老を兼ね,7年ごとに交替してガンデン寺座首(ティパ)をつとめ,ツォンカパの後継者としてこの派を指導する。1642年ダライ・ラマ政権成立後,ダライ・ラマが聖俗2権の頂上に立ったため別格とされ,その上位にきたが,出自を問わずその実力によってこの座首が選ばれるところから,教学上は今なお第一人者とされる。僧数3300といわれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガンデン寺」の意味・わかりやすい解説

ガンデン寺
ガンデンじ
dGa' ldan

中国チベット自治区ラサ東方約 40kmにあるチベット仏教黄帽派の大本山。 1409年ツォンカパにより建立。顕教専門の2学堂チャンツェ,シャルツェから成る。学堂長はチュージェと呼ばれ,それぞれ黄帽派最高のタントラ道場ギュメー,ギュトゥーの長老を兼ね,ツォンカパの正統後継者として交互に座首の地位を占めた。ダライ・ラマ政権成立後その地位はダライ,パンチェン両ラマの下位におかれるようになった。

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