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キドランド キドランドKydland,Finn E.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キドランド
Kydland,Finn E.

[生]1943.12. オールゴール
ノルウェーの経済学者。ノルウェー経済・経営大学院 (NHH) で理学学士号 (1968) ,アメリカのカーネギー=メロン大学で博士号 (1973) を取得。その後,NHH経済学助教授 (1973~78) を経て 1978~2004年までカーネギー=メロン大学で教鞭をとった。 2004年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校ヘンリー記念講座経済学教授に就任。カーネギー=メロン大学での指導教授だったエドワード・C.プレスコットとともに発表した論文「裁量よりもルール-最適計画の非整合性」 (1977) で,政策当局が裁量的に政策運営を行なうよりも,ルールを決めて政策運営を行なうほうが効果的であると理論づけた。同じく共同発表した論文「建設のための時間と総変動」 (1982) では,景気変動の要因は供給側にあるとの新理論を打ち出した。これらの研究は各国政府の金融・財政政策に大きな影響を及ぼした。 2004年プレスコットとともにノーベル経済学賞を受賞。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キドランド
きどらんど
Finn Erling Kydland
(1943― )

ノルウェー国籍をもつアメリカ在住のマクロ経済学者。ノルウェー南西部のロガラン県イェスダール生まれ。ノルウェー最古のビジネススクール、ノルウェー・スクール・オブ・エコノミックスを1968年に卒業。1973年にカーネギーメロン大学で博士号を取得し、ノルウェー・スクール・オブ・エコノミックスなどを経て、1982年にカーネギー・メロン大学教授に就任。カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校教授も兼務。「マクロ経済学に時間的不整合性仮説と実物的景気循環(real business cycle)理論の二つの概念を導入し、各国の財政・金融政策に大きな影響を与えた」として、2004年のノーベル経済学賞をE・C・プレスコットとともに受賞した。動学的マクロ経済学の発展に決定的な役割を果たした功績が認められたのである。
 1977年のプレスコットとの共同論文「Rules Rather than Discretion:The Inconsistency of Optimal Plans」で、政策当局が景気情勢に応じて裁量的に財政・金融政策をとると、長期的な視野にたった「ルール」に基づく政策より効果が小さくなることを理論的に明らかにする。主流のケインズ経済学に対し、「時間的整合性問題」(time consistency problem)を提起した。金融政策では政策の一貫性だけでなく、当局の「信頼性の問題」(credibility problem)が重要であると分析し、中央銀行の独立性確保にも大きな影響を与えた。
 1982年のプレスコットとの共同論文「Time to Build and Aggregate Fluctuations」では景気変動が不可避であることを強調し、実物的景気循環理論を展開する。貨幣的要因よりも技術革新や生産性向上などの供給サイドの実物要因で景気循環を説明できると分析した。マクロ経済学分野そのものでのノーベル経済学賞受賞は、1995年のR・E・ルーカス以来である。[金子邦彦]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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