ギベリン党(読み)ギベリンとう(英語表記)parte ghibellina イタリア語

精選版 日本国語大辞典 「ギベリン党」の意味・読み・例文・類語

ギベリン‐とう ‥タウ【ギベリン党】

〘名〙 (ギベリンは Ghibellino Ghibelline) 中世末期、教皇と神聖ローマ帝国皇帝対立の際、ホーエンシュタウフェン家の皇帝を支持した党派イタリアではおもに封建貴族や富裕な市民基盤とした。皇帝党皇帝派

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギベリン党」の意味・わかりやすい解説

ギベリン党
ぎべりんとう
parte ghibellina イタリア語

皇帝党と訳す。中世のイタリアをグェルフ党教皇党)とともに二分した政治党派。この名称は、ドイツのホーエンシュタウフェン家の城ワイプリンゲンWaiblingenに由来し、1197年のハインリヒ6世の死後、神聖ローマ帝国支配の継承をめぐって、同家のシュワーベン公フィリップやフリードリヒ2世とウェルフ家のオットー4世とのそれぞれの支持者が争った際、ワイプリンゲンのイタリア訛(なま)りとしてトスカナ地方に導入された。皇帝フリードリヒ2世とローマ教皇とが争った13世紀中ごろに、皇帝支持者をこの名称でよび、教皇支持者をグェルフ(ウェルフの訛り)党とよぶ呼称が年代記などで定着した。のちにこの呼称が中部・北イタリアに広がり、地方的利害による市民間、都市間、君主間の対立関係をも示すことばとなった。なかでもミラノビスコンティ家ベローナのデルラ・スカラDella Scala家が有名で、反対党から専制君主制の主唱者と批判される。皇帝待望の書といわれるダンテの『帝国論』は、この党派の主張を表す一例である。

[佐藤眞典]

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