翻訳|chromatin
DNA鎖とそれに規則正しく結合したタンパク質の複合体.タンパク質としては,塩基性のヒストリンと非ヒストンタンパク質がある.ヒストン分子が集まって円盤状の構造をとり,これにDNA鎖が巻きついたコイル上の単位構造が繰り返している.単位構造はヌクレオソームとよばれ,ヒストンH2A,H2B,H3,H4が,それぞれ2分子ずつと,長さにして200弱のヌクレオチドに相当するDNA鎖からなる.クロマチン(染色糸)は,通常の状態では光学顕微鏡で見ることができないが,細胞分裂時には凝集し,染色体となるため見えるようになる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…両生類(アフリカツメガエル)卵の研究から,多精拒否に関与する表層顆粒物質は,一種のレクチンであることが知られている。
[前核の形成と融合]
精子の核に含まれるクロマチン(染色質)は,通常の細胞核のそれに比べて著しく凝集している。とりわけ脊椎動物の精子核クロマチンは,プロタミンprotamineと呼ばれる塩基性タンパク質でヒストンが置換されているので,強度の凝集が可能となっている。…
…頭部には主要な構造として,核と先体(アクロソームacrosome)が含まれる。核は半数(n)の染色体に由来するクロマチンを蔵し,生殖において,雄性(ヒトにあっては男性)の親から子孫に伝達さるべき遺伝情報は,すべてクロマチンの主要構成成分であるDNA中に含まれる。精子の核以外の部分,とりわけ後述する尾部中片部のミトコンドリアにもDNAが含まれるが,受精後胚発生機構への関与はほとんどないものと考えられている。…
※「クロマチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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