クロヨナ(その他表記)Pongamia pinnata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロヨナ」の意味・わかりやすい解説

クロヨナ
Pongamia pinnata

マメ科の常緑高木。熱帯海岸に普通にみられる樹木で,台湾,中国南部からインド,マレーシアミクロネシア,オーストラリア,ポリネシアに分布し,日本では琉球列島 (奄美大島以南) に産する。高さ8~25mに達し,全株無毛。葉は奇数羽状複葉で革質。小葉は5または7枚,卵形先端は長くとがり基部は丸く,長さ6~13cm,両面無毛でやや光沢がある。9~11月,小枝葉腋総状花序を出し,長さ約 1.5cmで淡紅紫色の蝶形花を密につける (→蝶形花冠 ) 。豆果は木質で硬く,扁平な長楕円形で長さ5~7mm,先端は嘴状に短くとがり,種子は1個。和名は沖縄の方言ユナ (沖縄) に生える樹皮の黒い木の意である。用材のほか,防潮・防風用や庇陰樹として植えられ,葉は緑肥とし,種子からは油をとる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロヨナ」の意味・わかりやすい解説

クロヨナ
くろよな
[学] Pongamia pinnata (L.) Pierre

マメ科(APG分類:マメ科)の常緑高木で高さ8~25メートル。葉は奇数羽状複葉で革質。小葉は5~7枚、卵形で先端はやや長く、長さ6~15センチメートル、頂小葉がもっとも大きい。9~11月、小枝の葉腋(ようえき)に総状花序を出し、淡紅紫色で長さ約1.5センチメートルの蝶形花(ちょうけいか)をやや密につける。豆果は木質で堅く、長楕円(ちょうだえん)形で長さ5~7センチメートル。屋久島と沖縄の海岸林の中に生え、アジア、オセアニアの海岸地方に広く分布する。名は、沖縄の方言、ユナ(沖縄)に生える樹皮の黒い木の意味である。

[立石庸一 2019年10月18日]

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