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クンデラ Kundera, Milan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クンデラ
Kundera, Milan

[生]1929.4.1. ブルノ
チェコの詩人,小説家,劇作家。現代チェコ文学を代表する作家。才能に恵まれ,評論,詩,長短編小説,戯曲などさまざまな分野で活躍。代表作に小説『冗談』 Zert (1967) ,『微笑を誘う愛の物語』 Směšmé lásky (70) ,戯曲『鍵の持主たち』 Majitelé klíčů (62) ,『プターコビナ』 Ptákovina (69) など。 1968年のチェコ事件後はフランスに滞在。これまでに『生は彼方に』 Zivot je jinde,仏訳"La Vie est ailleurs" (73) ,『別れのワルツ』 Valčík na rozloučenou,仏訳"La Valse aux adieux" (76) の2作がチェコ語の原本が出版されないまま訳本が出ている。また,『存在の耐えられない軽さ』 Nesnesitelná lehkost byt' (85) は映画化され話題となった。

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デジタル大辞泉の解説

クンデラ(Milan Kundera)

[1929~ ]チェコの小説家長編小説冗談」で地位を築くが、のち、反体制派として作品の発表を禁じられる。1975年にフランスに亡命。他に「存在の耐えられない軽さ」「不滅」など。

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百科事典マイペディアの解説

クンデラ

チェコの詩人,劇作家,短編小説家。モラビア生れ。戯曲《鍵の持主》(1962年),短編集《微笑を誘う愛の物語》(1970年),社会主義社会のひずみにしいたげられた人間の姿を描いた小説《冗談》(1967年)は,チェコ時代に書かれた傑作。
→関連項目亡命文学

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世界大百科事典 第2版の解説

クンデラ【Milan Kundera】

1929‐
第2次世界大戦後チェコが生んだもっとも才能ある作家で,評論《長編小説の芸術》(1960),戯曲《鍵の持主たち》(1963),短編集《微笑を誘う愛の物語》(1963‐68),代表作の長編《冗談》(1967,邦訳あり)などを発表,大作家への完成が期待されたが,1968年のいわゆるチェコ事件以後フランスへ出国,現在フランスで活躍中。滞仏作品に《生は彼方へ》(1969完成,邦訳あり)ほかがある。【千野 栄一

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大辞林 第三版の解説

クンデラ【Milan Kundera】

1929~ ) チェコの小説家。1975年にフランスに出て、そのまま亡命した。小説「冗談」「存在の耐えられない軽さ」「不滅」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クンデラ
くんでら
Milan Kundera
(1929― )

チェコの作家。ブルノの音楽学者の家庭に生まれ、幼時から音楽に親しみ、その影響は作品上にも強く反映している。プラハの音楽芸術大学映画科を卒業後、同大学で世界文学を講じながら実作に取り組み、戯曲・小説などのジャンルで実験的作品を発表。1968年の「プラハの春」前後には、チェコスロバキア作家同盟書記長として「人間の顔をした社会主義」への改革運動に積極的に参加し、ソ連軍の戦車を背景とする「正常化」に抵抗。その一方、改革の評価などについて仲間だった作家のV・ハベル(1989~92チェコスロバキア大統領。93~2003チェコ大統領)と意見が対立、論争が行われた。1970年には反体制派として国内での作品発表を禁止され、75年フランスに移住、大学の教職につきながら創作活動を継続する。その結果、1970年以降の作品は国外、フランスやカナダでまず公刊されるようになったが、根本となる原稿はすべてチェコ語で書かれ、チェコの作者としての立場が鮮明であった。しかし、79年にはチェコの市民権を剥奪(はくだつ)され、81年にフランスの市民権を得たこともあって、しだいに祖国との距離を置き始めた感があり、作品もフランス語で書く場合がある。89年の「ビロード革命」以後は、本国でも多数の作品が出版され、人気は高い。
 文学的な出発は、詩集『人間、この広き庭園』(1953)、および『モノローグ』(1957)だったが、やがて「抒情(じょじょう)詩的年齢」を脱し、戯曲『鍵(かぎ)の所有者』(1963)、短編集『微笑を誘う愛の物語』(1963~1968)と進み、長編『冗談』(1967)は、社会主義体制下における人間性のゆがみを描いた傑作として、国際的に高い評価を受けた。その作品のほとんどは、現代社会での理想と現実の相克を愛と性を焦点にして辛辣(しんらつ)にえぐり出しているが、フランス移住後には、メディシス賞を受けた長編『生は彼方に』(1973)、『別れのワルツ』(1976)、『笑いと忘却の書』(1979)、『存在の耐えられない軽さ』(1984)などがある。とくに長編『不滅』(1989)は、人間の運命、その終焉(しゅうえん)と不滅性についてのさまざまな考察を複合したアレゴリカル(寓意(ぐうい)的)な作品である。さらに『緩やかさ』(1995)、『ほんとうの私』(1998)、『無知』(2001)と精力的に作品を発表している。なお、評論にも『小説の技法』(1960。邦題『小説の精神』)、『裏切られた遺言』(1983)などがあり、文学的関与の幅はきわめて広く、チェコの作家としてもっとも話題性に富んでいる。 [飯島 周]
『金井裕訳『小説の精神』(1990・法政大学出版局) ▽千野栄一他訳『微笑を誘う愛の物語』(1992・集英社) ▽西永良成訳『笑いと忘却の書』(1992・集英社) ▽西永良成訳『別れのワルツ』(1993・集英社) ▽西永良成訳『裏切られた遺言』(1994・集英社) ▽西永良成訳『緩やかさ』(1995・集英社) ▽近藤真理訳『ジャックとその主人』(1996・みすず書房) ▽西永良成訳『ほんとうの私』(1997・集英社) ▽西永良成訳『無知』(2001・集英社) ▽関根日出男・中村猛訳『冗談』(2002・みすず書房) ▽西永良成訳『生は彼方に』(ハヤカワepi文庫) ▽千野栄一訳『存在の耐えられない軽さ』(集英社文庫) ▽菅野昭正訳『不滅』(集英社文庫) ▽工藤庸子著『小説というオブリガート――ミラン・クンデラを読む』(1996・東京大学出版会) ▽西永良成著『ミラン・クンデラの思想』(1998・平凡社) ▽赤塚若樹著『ミラン・クンデラと小説』(2000・水声社)』

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