コウライエビ(その他表記)Fenneropenaeus chinensis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コウライエビ」の意味・わかりやすい解説

コウライエビ
Fenneropenaeus chinensis

軟甲綱十脚目クルマエビ科。体長は雌 27cm,雄 20cmに達する。黄海ポー(渤)海東シナ海に生息する水産業上の重要種。標準和名はその産地,高麗に由来する。流通名は大正エビで,大正年間に輸入・販売を始めた大正組という会社名にちなむ。額角は長く,上縁に 7~9棘,下縁に 3~5棘をもつ。体は半透明で,微小な青灰色の斑点が散在するだけで,特別な斑紋はない。腹面と付属肢赤みを帯びた橙色。春から夏にかけて渤海奥部の浅所で産卵し,その後シャントン(山東)半島以南の深所に移って越冬する。卵は 4~5月に孵化し,半年で成体となる。寿命は 1年。エビ類取扱業者の間では,特別の斑紋がない大型エビ類は大正エビとして扱われることが多い。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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世界大百科事典(旧版)内のコウライエビの言及

【タイショウエビ(大正蝦)】より

…水産業上とくに重要な甲殻綱クルマエビ科のエビで,体長27cmに達する大型種。標準和名はコウライエビ(高麗蝦)(イラスト)。中国の渤海湾と黄海の特産種で,日本の市場に出されるものはもっぱら黄海でトロールで漁獲されたものであるが,世界各地から輸入されるクルマエビ類のうち,特別の斑紋をもたないものはすべて〈大正エビ〉の商品名で取り扱われているので注意を要する。…

※「コウライエビ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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