コトルの自然と文化-歴史地域(読み)コトルのしぜんとぶんかれきしちいき

世界遺産詳解 の解説

コトルのしぜんとぶんかれきしちいき【コトルの自然と文化-歴史地域】

1979年に登録されたモンテネグロの世界遺産(文化遺産)で、コトル湾最奥部の港町コトルにある。古代ローマの都市として始まったコトルは、ビザンチン帝国、ハンガリー王国に支配されながらも一定の自治を保って繁栄した。14世紀にはセルビア王国のもとで最盛期を迎えるが、やがてベネチアの支配を受け、その後400年間ほど海運貿易の拠点として栄えた。コトル湾に面した町は、三方を険しい断崖山地に囲まれ、地政学的な防御の点では絶好の場所にあった。城壁に囲まれた旧市街の町並みは、繁栄した12~15世紀頃の姿を色濃く残している。12世紀に建てられたロマネスク様式の聖トリフォン大聖堂、同じく12世紀建立のロマネスク・ビザンチン様式の聖ルカ教会、17世紀建造のゴシックバロック様式の4階層造りの時計塔などがあるが、地震や内戦により甚大な被害を受けた。このような歴史的文化的な価値のみならず、周囲の自然景観が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はNatural and Culturo-Historical Region of Kotor

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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コトルの自然と文化-歴史地域【コトルのしぜんとぶんかれきしちいき】

コトル

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