コナベーション(読み)こなべーしょん(英語表記)conurbation

翻訳|conurbation

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コナベーション」の意味・わかりやすい解説

コナベーション
こなべーしょん
conurbation

イギリスの都市学者ゲデスP. Geddesの造語。かつては連合都市連接都市連檐(れんたん)都市などと訳された。本来別の都市である複数の市街地が、都市化の進展とともに発達拡大して連続的となった場合をいう。また、巨大都市の発展によって、その周辺に存在する別の中小都市が飲み込まれ連続的となるような場合をもいう。門司(もじ)、小倉(こくら)、八幡(やはた)、戸畑若松の5市が合併した北九州市の場合は前者、東京を中心とする京浜・京葉地域や大阪を中心とする阪神地域の場合は後者である。ただし、イギリスでは大都市圏metropolitan areaとほとんど同義に用いられることも多く、ロンドン・コナベーションとはロンドン大都市圏のことである。なお、広域都市圏とコナベーションとはかなり類似した面がみられるが、コナベーションは複数の都市市街地が連続している場合を意味するものであるのに対し、広域都市圏は中心となる市街とその影響圏、勢力圏内に含まれる小都市や田園地帯をも一括していうもので、市街地が連続しているとは限らない。

[高野史男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コナベーション」の意味・わかりやすい解説

コナベーション
conurbation

二つ以上の都市の市街地が拡大発展し,やがて連続した一つの都市域となったもの。連接都市,連合都市ともいう。イギリスの都市学者パトリック・ゲッディスの造語。たとえばイギリス北東岸ニューカッスルアポンタインを中心としてタイン川流域に連続するものをタインサイド・コナベーションと呼ぶ。日本における例は福岡県北九州市。このコナベーションよりさらに範囲や影響力の大きいものがメガロポリスである。またアメリカ合衆国標準都市統計地区 SMSAは類似の概念である。

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