コノフィタム(読み)このふぃたむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コノフィタム」の意味・わかりやすい解説

コノフィタム
このふぃたむ
[学] Conophytum

ツルナ科(APG分類:ハマミズナ科)の多肉植物。コノフィツムともいう。アフリカ南部に約280種が自生する。多年生で、見かけは茎がなく、高度に多肉化し、合着した1対の葉がある。年一度、春に古葉が裂け、数対に分裂し、大株は数百の葉が固まって群生する。形は葉の先が2裂した足袋(たび)型から、先端が平らなこま型まで、多様であるが、いずれも5センチメートル以下の小形。葉の頂面に半透明の窓状の組織がある有窓群、光沢のない硬い表皮がある硬皮種群、葉が足袋型で花が昼咲きの昼開種群、夜咲きで芳香がある夜開種群に大別される。花期はおもに秋で、夏咲きも少数ある。弁が多い花を1個つけるが、群生株では植物体が花で覆われて美しい。夏は涼しい所で育てる。耐寒性は弱い。

[湯浅浩史 2021年2月17日]

 鑑賞用のものはメセン女仙)とよばれて流通している。

[編集部 2021年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「コノフィタム」の意味・わかりやすい解説

コノフィタム

アフリカ南部原産のツルナ科の一属の多肉植物で,約300種あるという。植物体は高さ5〜6mmから4〜5cmの大きさで,対生葉が極度に多肉化し,全体が塊状をなす。形は扁球形,倒円錐形円筒形上部が扁平になり足袋(たび)形に突起を出したものなどさまざまである。花は秋,上部の線状の裂け目から出て咲く。マツバギクに似た花型で,色は白,赤,赤紫,桃,黄等があり,夜咲のものもある。日本での生育期は秋〜春。小鉢に群植し,風通し日当りのよい場所で栽培株分け,実生(みしょう)でふやす。
→関連項目メセン

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