コペ(その他表記)François Coppée

改訂新版 世界大百科事典 「コペ」の意味・わかりやすい解説

コペ
François Coppée
生没年:1842-1908

フランス詩人劇作家。処女詩集《聖遺物匣》(1866)によって高踏派詩人として登場,次いで韻文劇行人》(1869)によって出演女優サラ・ベルナールともども一躍有名となったが,劇作家としてはむしろロマン派の伝統に忠実であった。詩人としての彼の本領は,その高踏派的出発にもかかわらず,《つつましい人々》(1872)以降の詩集にもうかがえるように,彼自身貧しい家庭に育ったパリジャンとして,パリ場末郊外に見られる庶民生活哀歓を,深い共感を秘めつつ淡々とした親しみ深い写実的な描写によってよくとらえ得た点にこそ認められる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コペ」の意味・わかりやすい解説

コペ
Coppée, François

[生]1842.1.26. パリ
[没]1908.5.23. パリ
フランスの詩人,劇作家。貧しい家に生れ,陸軍省,上院図書館,フランス座に勤めるかたわら,早くから高踏派の詩人たちと交わり,1866年処女詩集『聖遺物匣 (こう) 』 Le Reliquaireを出版。ロマン主義の伝統に忠実な詩劇『行人』 Le Passant (1869) がサラ・ベルナール主演で上演され名声を得た。以後,庶民の生活と感情を素朴に描き出した詩や劇を次々と発表し,そのやや古風で感傷的なスタイルで大いに人気を博した。代表作は詩集『貧しき人々』 Les Humbles (72) 。ほかに『物語とエレジー』 Récits et élégies (78) ,詩劇『王位のために』 Pour la couronne (95) など。アカデミー・フランセーズ会員 (84) 。

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百科事典マイペディア 「コペ」の意味・わかりやすい解説

コペ

フランスの詩人,劇作家。高踏派の詩人として登場。パリに生まれ,その裏町の生活を歌った《仲間うち》《つつましい人々》で知られる。ほかに処女詩集《聖遺物匣(こう)》,一幕物韻文劇《行人》,小説《散文短編集》など。

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