日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルディエラ山系」の意味・わかりやすい解説
コルディエラ山系
こるでぃえらさんけい
Cordilleran system
コルディエラは「山脈」という意のスペイン語に由来するが、現在は南北アメリカ西側域の大山岳地帯にとくに用いる。南米西部のコルディエラはアンデス山脈と同義で、現在はアンデスのほうを用いる。北米西部のコルディエラ山系は、ロッキー山脈、カスケード山脈、シエラ・ネバダ山脈、コースト山脈をはじめ、他の多くのいくつかの山脈を含み、さらにグレート・ベースン(大盆地)、コロラド高原、コロンビア高原などをも含む複合大山系である。
中生代白亜紀以降、大西洋がしだいに開いていくのにしたがって、北米および南米大陸は西進し、その西縁では大洋プレートが大陸の下に沈み込んだ。この影響によって、南北アメリカ大陸の西縁域に膨大な量の花崗(かこう)岩バソリス(底盤)が貫入し、火山活動がおこり、大洋プレートが沈み込んだ付近(海溝など)には厚さ10キロメートルを超す地層が集積し、さらに引き続いて、それらは上昇して褶曲(しゅうきょく)山脈をつくるに至った。北米西岸域においては、大洋プレートにのって運搬されてきた大小の陸塊が付加しているとの考えもある。北米コルディエラ山系をつくっている岩石は、先カンブリア時代のものから新生代までのものすべてを含み、岩石の種類も貫入岩、噴出岩、堆積(たいせき)岩、変成岩などあらゆる岩種を含んでいる。
[吉田鎮男]