ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コレア」の意味・わかりやすい解説
コレア
Correa, Rafael
エクアドルの政治家,経済学者。大統領(在任 2007~17)。フルネーム Rafael Correa Delgado。奨学金を得て名門サンホセ・ラ・サール高校に学び,教会のボランティアとして 1年間,コトパクシ州でケチュア語を話す先住民の教育に携わった。のちにベルギーのルーバン大学で経済学の修士号,アメリカ合衆国のイリノイ大学で博士号を取得。2005年に短期間ながら財務大臣を務め,2006年に憲法改正を掲げて大統領選挙に立候補した。決選投票に進んだコレアは巧みな選挙運動とカリスマ性で,対立候補であるバナナ農園経営の大富豪アルバロ・ノボアを破った。2007年に就任すると,農業補助金を増やし,特に医療,教育を中心とする社会福祉プログラムへの支出を大幅に増大。さらに,1990年代の銀行スキャンダルに関与した富豪一族が保有する一連の企業資産を差し押さえた。2008年初め,コロンビア軍がエクアドル国内に潜伏する反政府ゲリラ軍を襲撃した事件をうけ,コロンビアとの外交関係を断絶した。同 2008年9月の国民投票で,経済通貨政策に対する大統領の権限を強化する新憲法が承認された。2008年12月,コレアはエクアドルの対外債務利子 3060万ドルについて「倫理に反した違法な」契約であるとして,債務不履行を宣言。多額の社会福祉費がエクアドル経済に深刻な影響を与える可能性が懸念されたが,コレアの人気は依然として高く,2009年4月に難なく再選を果たした。しかし 2015年頃からは,財政の悪化や強権的な政治運営に国民の不満が高まり,全国各地で抗議運動が発生した。2017年任期満了に伴い,大統領を退任した。
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