コロンビア(映画会社)(読み)ころんびあ(英語表記)Columbia Pictures

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロンビア(映画会社)」の意味・わかりやすい解説

コロンビア(映画会社)
ころんびあ
Columbia Pictures

アメリカの映画会社。1920年にハリー・コーンHarry Cohn(1891―1958)が中心となって設立した映画製作会社CBCを、1924年にコロンビア改称。このとき製作担当の副社長であったコーンは、後に社長も兼務してワンマン体制をしいた。1930年代のフランク・キャプラ監督の活躍により、安物映画のイメージだった同社も、業界で評価されるようになった。キャプラが去った1940年代は、女優リタ・ヘイワースRita Hayworth(1918―1987)の主演作品に支えられた。1950年代になると、さっそくテレビ製作部門をつくり、またサム・スピーゲルSam Spiegel(1901―1985)、スタンリー・クレイマーStanley Kramer(1913―2001)、エリア・カザン、フレッド・ジンネマンなど、独立プロデューサーや監督を支援して作品を製作することにより、社の名声を高めた。1958年にコーンが没すると、こうした人脈が功を奏し、デビッド・リーンの『アラビアロレンス』(1962)やジンネマンの『わが命つきるとも』(1966)といったアカデミー作品賞受賞作を生み出している。しかし、1970年代に業績が悪化し、1982年にはコカ・コーラに買収された。1987年に独立を回復するが、1989年にソニーに買収され、1991年からはソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの映画部門の中核的存在として現在に至っている。

[濱口幸一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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